微弱無線とは、電波法で規定された電界強度の許容値を守れば、いつでも、だれでも、どこでも使用してよい無線のことです。利用に際して資格や許可を取る必要はありません。また、周波数や 変調方式を問わず、利用方法についても、目的が合法的なものであれば全く自由に使えます。最大の欠点は電波が弱いため到達距離が短いことです。
建物などの影響を受けますが、見通しが良い場合でも数十メートル程度です。図1は、微弱無線の電界強度の許容値を示したグラフです。太線より下の範囲であれば自由に使えます。実際には周波数が低くなると長いアンテナが必要となり、高い周波数帯は電界許容値が低いため、
もっぱらVHF帯の300メガヘルツから322メガヘルツが利用されています。一方、パソコン、コピー機などの電子機器からも、微弱ですが電波が出ており、これにも許容値が定められています。グラフの破線がこの許容値です(クラスBは住環境において利用される機器等に適用されます)。300メガヘルツ付近では微弱無線の許容値に近いことが分かります。従って、パソコン、コピー機などの近くでは機器から放射された電波により微弱無線機器が誤動作するなどの影響が生じる場合があります。しかし、自由に使えることから、微弱無線局は広く利用されています。身近な例では、自動車のキーレスエントリシステム、ホームセキュリティ、玩具のリモコン、レストランなどのウエイトレスコールシステムなどがあり、日本国内で年間数百万台が生産されています。
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