依頼試験の最近の話題について
愛知県産業技術研究所 記事更新日.07.08.03
常滑窯業技術センター
瀬戸窯業技術センター

常滑窯業技術センター
  TEL 0569(35)5151 FAX 0569(34)8196
 http://wwwl.ocn.ne.jp/~tokoname/

瀬戸窯業技術センター
  TEL 0561(21)2117 FAX 0561(21)2128
  http://www.aichi-inst.jp/seto/
常滑、瀬戸の窯業技術センターでは原材料の分析試験や製品の品質評価試験を始めとして、さまざまなニーズに応じた依頼試験を実施しております。
製品開発段階の試験や商取引の品質証明にぜひご利用ください。
両センターが実施している種々の依頼試験のなかで、最近話題になっている試験についてご紹介します。

■ 「粘土がわらの試験について」
常滑窯業技術センター三河窯業試験場では、主として粘土がわらの試験を行っています。
平成17年10月1日、工業標準化法の改正により新しいJISマーク制度がスタートし、これまで国による認定から民間の登録認証機関による製品認証に変わりました。製造者が自社製品にJISマークを表示しようとすれば、登録認証機関に申請し、審査を受けなければなりません。
当該地区の場合、対象となる窯業製品の申請先は(財)建材試験センターにほぼ限定されます。同センターでは製造者から申請を受けると、工場審査と製品試験を行います。このうち製品試験は、製品認証制度として新たに要求された審査項目で、粘土がわらの場合、JIS A 5208に規定する「曲げ試験」、「吸水試験」及び「凍害試験」です。
試験は原則として同センター内にある試験所において行われますが、三河窯業試験場では(財)建材試験センターと製品試験委託契約(覚書)を取り交わし、審査に必要な試験を委託実施できる体制を整えました。
なお、新JISマーク制度発足後3年間は現行JISマークを表示しても違反にはなりませんが、平成20年10月1日以降は使用できなくなるため、審査に必要な期間を勘案の上、早めに申請されると良いでしょう。

 

■ 「飲食器からの鉛・カドミウムの溶出試験について」
瀬戸窯業技術センターでは飲食器からの鉛・カドミウムの溶出試験を行っています。
湯呑みや茶碗などからの有害物質の鉛やカドミウムの溶出量は、食品衛生法により基準値が決められています。焼き物における鉛は、透明な釉薬に非常に有用な原料成分で、艶のある滑らかな釉薬表面を提供してくれます。また、焼成温度を低くできるメリットもあり、20年前頃までは盛んに使われていました。カドミウムは上絵具の黄又は赤(セレン赤)の顔料として使用されていました。
現在は、無鉛釉薬に移行しており、赤の顔料も他の金属により代替が進んでいます。製造現場においても、鉛やカドミウムが溶出しにくい焼成方法を取るようになりました。
しかし、4年前には、焼成工程の不具合のために、保健所の定期検査で子供用のラーメンどんぶりから基準値以上の鉛やカドミウムが検出され、製造元の関係自治体から回収命令が出されたことがありました。
最近では、新潟県の陶磁器業者が輸入した中国製の土鍋から、少量の鉛が消費生活センターなどにより検出された内容の記事が5月25日発行の中日新聞夕刊に載っていました。
参考にISO(国際標準化機構)において1999年に 改正された規制値を示します。食品衛生法もこれを受けて、今年2007年に新基準への改正が予定されています。

 
陶磁器食卓用品の鉛・カドミウム溶出に係わる国際規格改正案(ISO 6486/2)
容器の品目、形状 カドミウム
浅型容器(深さ≦25mm) 0.8mg/dm²以下 0.07 mg/dm²以下
深型容器(深さ>25mm) 小容量<1.1L 2.0mg/L以下 0.50mg/L以下
大容量≧1.1L 1.0mg/L以下 0.25mg/L以下
碗、マグ類 深型小 0.5mg/L以下 0.25mg/L以下
貯蔵容器(容量≧3L)
深型大 0.5mg/L以下 0.25mg/L以下
調理用器具 0.5mg/L以下 0.05mg/L以下
■ 問合せ先
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