ここで、木材などのバイオマス資源がカーボンニュートラルであるならば、燃焼せずに木材などの固体の状態で長く置いておくことができれば、大気中のCO2を削減することが可能です。その中の一つの技術として、製材加工で出た「おが屑」などを燃料としないで、接着剤で固めてボードとして利用することも有効であると考えられます。
また、蒸気で蒸し焼きにした木粉や竹粉には、加熱・加圧によって流動し易く、自分で接着する力が強くなる特性があります。この性質を利用して、通常の「おが屑」に接着剤として蒸気処理した「おが屑」を混ぜて、熱をかけながらプレスすると、写真に示すような100%木質材料の環境に配慮したボードに生まれ変わります。さらに使い終わった後に砕いてボードの材料や別の材料にすることもできます。
このように元の材料からまた別の材料へ何度も利用することを「資源のカスケード利用」と呼んでいます。今後、このカスケード利用が重要になってくると思われます。
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