洗浄不良の確認と同様の考え方を応用し、製造現場における食物アレルギー対策に役立てようとする研究が進められています1)。
製造現場におけるアレルゲンのコンタミネーション防止を目的として検査をする場合、日常の検査ではできるだけコストと手間を省きたいものです。 そこで、アレルゲン自体を測定するのではなく、洗浄不足で残存する微生物や食品原材料等由来の物質を測定することでアレルゲンを含む全体の汚染状況を確認することが可能と考えられます。これは清浄度が極めて高ければ、当然アレルゲンも除去されているという考えに基づいています。食品の種類にもよりますが、ATP法は洗浄不足で残留した食品の検出にも有効なため、ATP法で汚染が確認できればアレルゲンも残留していると考えられます。 ATP法のほかにも、タンパク質やデンプンの検査キットが適する場合があります。どのような食品を扱っている工場かによって汚染原因となる物質は異なるため、こうした方法によりアレルゲンのコンタミネーションの確認を行う場合は、
製造現場の状況に応じて汚染物質の検出が適切に行える検査キットを選択する必要があります。
|