1.はじめに
我々の身の回りにある金属製品は、用途別に要求される性能が異なり、それらが近年高度化・複雑化する中で、各々に安心・安全、信頼性及び耐久性の確保が求められています。そのため、製品を少しでも長く購入時の状態を維持できるように表面処理や塗装による製品の高度化がなされてきました。耐久性を確保するための性能のうち、最も重要とされるものは「耐食性」です。この評価には多くの時間を要するため、その時間を短縮し迅速に試験する方法が用いられています。 耐食性を迅速に評価する試験は腐食促進試験と言われ、自然環境にあるさまざまな腐食因子を用いて、実際の腐食状態を再現・促進しようとするものです。その中で最もよく用いられている方法に「塩水」を用いた中性塩水噴霧試験があります。腐食促進試験としては、このほかにガス腐食試験等があります。
ここでは、中性塩水噴霧試験について、試験方法や評価方法について紹介します。
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