従業員とともに育つ経営を目指して
伊藤智啓 記事更新日.06.10.02
株式会社蒲郡製作所 代表取締役 
■PROFILE
1960年生まれ 武蔵工業大学機械工学科卒
1982年 蒲郡製作所入社。
1996年 代表取締役就任。
2004年 「IT経営百選」奨励賞 受賞
2005年 IT経営成熟度向上プログラム支援対象企業 認定
2006年 「IT経営百選」優秀賞 受賞

ブログ: http://blog.livedoor.jp/kotabimax/

連絡先
株式会社 蒲郡製作所
愛知県蒲郡市御幸町28番10号
TEL: 0533-68-1155  FAX: 0533-68-1156
ウエブサイト: http://www.gamasei.co.jp/  
従業員数が30人以下の零細中小企業において、経営者としての役割は、会社の進むべき指標となる経営理念を明確にし、経営方針、経営計画を立案し、社内の意思統一(ベクトル合わせ)を行うことだと考える。

一般に、企業のライフサイクルは、30年といわれている。企業は、継続してこそ、社会的な責任を果たすことができる。当社は皆様のおかげで創業52年を迎えた。だが、中小企業を取り巻く環境は、ここ10年で大きく変化した。大企業の海外進出による国内の空洞化、顧客ニーズの多様化、多品種少量生産への移行、ITの進歩など、少し挙げただけでもかつては予想もできなかったことばかりである。こうした経営環境下で、存続するためには、従来どおりの経営とは決別し、経営者自らが経営理念を成文化し、リーダーシップを発揮しながら、全社員を巻き込み、全社員の知恵を結集して、経営方針、経営計画を作成することが必要である。とはいえ、私が経営理念を 成文化したのは、昨年の1月のことであり、社内外との情報の共有化はまだ始まったばかりだ。

近年、各地の商工会議所で「経営革新塾」や「第二創業塾」などのセミナーが開催されている。

当社も、何度かそうしたセミナーを受講させていただいた後、自社の中期経営計画を立案し、昨年愛知県知事より経営革新計画の承認をいただいた。

3人の従業員と私で作り上げた計画である。

しかし、このままでは「社長が作り上げた計画」であり、“絵に書いた餅”なのである。 いかにして全社員と目的・目標を共有化し、夢の実現に向けて、ベクトル合わせをし、心をひとつにできるかが計画成功のカギを握っている。

目的達成のために、“自発的に行動する人”と“命じられて動く人”を考えた場合、前者のような従業員が多い会社が躍進するに違いない。

「経営理念」、「経営方針」、「経営計画」といわれても、何からやったらとお考えの経営者の方には、まず“あなた自身”が変わることをお勧めしたい。私は、経営者が変われば、会社はきっと変わると信じている。

「俺の会社は、誰が知らなくても、俺が知っている良い会社なんだ」とすべての従業員が胸を張れる、そんな会社を目指して、毎日少しずつ一歩ずつ前進したい。