2009年9月のレポートにおいて「第二創業」の進め方のポイントについて紹介しました。あれから早や2年が経ちました。その間、中国がわが国を追い抜き世界第二の経済大国になるなど、新興国の経済発展などにより世界経済は目まぐるしく変化しつつ成長を続けています。
一方、国内経済は東日本大震災や原発事故による急激なショックにより大きく落ち込みましたが、ここへきて生産活動は持ち直してきており、経営者及び消費者のマインドは上向きにあります。
しかし、新興国の経済成長は多少スローダウンしてきていますし、米国景気の停滞や欧州の財政不安による円高、原材料の高騰、電力不足などの不安要因があり、わが国経済の先行きには不透明感があります。また、わが国は中長期的には人口減少社会に入り、需要が縮小し供給が過剰となることから、内需型の中小零細企業にとっては、ますます過当競争が激しくなることが予想されます。
このように厳しさを増す経営環境において、企業は、従来の事業にのみ固執していては「時代への不適合」を起こす恐れがあり、「変わらないことのリスク」を認識しなければなりません。
そうした中、企業が生き延びていく一つの方法は、競争をうまく避けて生き残りを図る方法です。コストを抑えながら他社と差別化して、競争のない新たな市場で安定した位置付けを保つことです。もう一つは、リストラを中心とした対症療法だけでなく、自社を客観的に見直して、新たに創業するかのごとく経営の多角化や事業転換を図る「第二創業」が必要となってきます。
今回は、前者の方法としての企業減少時代に生き残るための新たな経営戦略(「ブルー・オーシャン戦略」)と後者の方法として、新たな事業に向け自社を客観的に分析するための「SWOT分析」を印刷業の事例をもとに紹介します。
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