(1)不況に役だつ情報系システム
基幹システム、販売、生産などのシステムを再構築するのは、費用と時間がかかります。したがって、今からじっくり経営戦略実現に向けて検討を開始します。それと、平行して、比較的安価にスピーディに実現する情報系システムの構築を勧めたいです。
この経済危機を乗り越えるには、新しい技術・製品や新しい販路・顧客を開拓することが重要です。こうしたケースでは、社内の商談情報や顧客情報を一元管理して情報共有を図ることが重要です。
たとえば、販売管理はIT化されているが、その前の段階のIT化は大きく遅れている。これは、IT化が行いやすく、そのシステムが効果を上げやすい請求処理業務(数値処理中心)などをシステム化することが中心であったからです。
営業活動(マーケィング、顧客訪問、販売方法など)などの非定型業務は、数値以外の文書情報を必要とするため、今までIT化が遅れていたが、新しいIT技術の利用により比較的簡単に実現できるようになってきており、中小企業でも安く利用できる時代です。
これらの特徴は、従来のITの数値計算中心の利用から、文書情報の利用に変化してきていることによります。営業が伝えたい顧客の研究している情報や、知りたい品質情報やクレーム情報などを、企業として再利用可能な情報として蓄積し、社員が共有できるようにすることが重要です。蓄積された情報には、経営戦略実現のための新しいビジネスのヒントが多く眠っています。
多くの中小企業でも、少しパソコンができる社員は、独自にエクセルなどを駆使してデータベース化していたりします。しかし、IT部門担当者は、基幹業務システムの運用を行うことが本分として、こうした現場のIT化に積極的ではありませんでした。
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