金融危機から既に2年半が経過して、世界経済には幾つかの新しい流れが見られ、日本の産業にも大きな変化が動き出しています。先進国へ向けて、高品質・高機能製品を供給してきた製造業は、急速に経済回復するアジア新興国を主要販売市場として位置付け、低価格製品の開発、低コスト生産体制の構築に、大きく舵を切ろうとしています。
日本の産業構造の中核をなしている自動車産業の新しい動きが盛んに伝えられ、また、海外工場で作られた製品が日本市場にUターン上陸し始めて、日本国内でものづくりに専心してきた多くの企業に衝撃を与えているように思われます。
大企業の「新興国への戦略転換」によって、日本国内への変化 特に「新興国市場でのものづくり」を踏まえた低価格化への流れが予想されています。 中小企業も新興国市場への展開、新興国のコストの取込みを活かした製品コストの構築など新たな対応が求められています。
中小企業が、独自の製品力、技術力を活かし、且つ新興国市場の低コスト力を取り込んだ新たな活力で「国を開き、アジアとともに成長する日本」(経済産業省:通商白書2010)の産業を支えてほしいものです。
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