アクセス解析を知っていますか?(第1回)
吉田 喜彦 記事更新日.11.09.01
有限会社 教材ドットコム代表取締役
■PROFILE
国内初のGoogleアナリティクス・Appギャラリー登録事業者。
情報系専門学校マルチメディア制作科主任を経て1997年に独立。
2004年法人化。現在はアクセス解析のコンサルティングやIT関連研修を展開。Googleアナリティクスセミナーは毎回満席と人気を博している。また、アクセス解析を広めるため自身のブログ、カグア!では4コマ漫画「Webアナリストすみれ」を描く。
教育システム情報学会会員。
■問い合わせ
有限会社 教材ドットコム                     
〒523-0002 埼玉県志木市中宗岡1-9-1
http://www.kagua.biz  
■その「結果」は「どのようにして」
「ちょっと調べてみるか!」未来の見込み客が、気になったことをネットで調べ、そして未知の企業に出会う・・・。
みなさんの会社では、多くの場合ホームページを持っていると思います。そして、そこから新規の問い合わせをもらったり、あるいはネットショップや客室予約などで直接利益を上げていたりする、そんな方もいらっしゃると思います。
もはやホームページは企業にとっては無くてはならないもの。そんな認識は年々高まっていることかと思います。
一方で、「どうして問い合わせが貰えたのか?」「どういう人が買ってくれたのか?」その理由を考えたことはありますでしょうか?
また、「そんな引き合いは無いぞ!」「一体どれくらいの人が見ているやら・・・」という方は、「どう問い合わせを貰えていないのか」「どう見られているのか?」という過程を考えたことはおありでしょうか?「なぜ貰えないか」ではなく「どう貰えてないか」です。
理由は結果から解釈するしかありません。しかし、その結果を知ることさえも難しいと思われている方は多いのではないでしょうか。「そんな・・・ホームページなんて実店舗じゃないだから利用者を見る事なんて出来ないじゃないか!」そう思われる方いらっしゃるかもしれません。しかし、それを明らかにする手法があり、今とても注目されているのです。
この本稿では、3回にわたって、「ホームページがどのように見られているか」「どのようにしてその結果に至ったか」を考える手法「アクセス解析」を紹介します。みなさんのネットビジネス活用の強力な一助になると思います。

■アクセス解析とは
アクセス解析とは、あなたのホームページが「どのように見られているか」を調べるサービスです。有料、無料、いろいろな商品が存在します。
それらのサービスに申し込み、あなたのホームページに組み込むことによって、「どう見られているのか」が、わかる仕組みになっています。
例えるなら「真っ暗闇の中、レジでいくら売れているかだけ見える」・・・それが「何人くらいの人がお店に来て、どんな売り場を見ていて、何人くらいの人がレジにならんで、いくら売れたがわかる・・・」そんな感じです。どうです、全然違いますよね?
アクセス解析のサービスを導入するだけで、ホームページ運営者にとって、これほどまでに得られる情報が変わるものなのです。ただ、これはホームページを作ったからといって、自動で付いてくるわけではなく、自分で組み込むか依頼するか、いずれかの方法で完成したホームページに後から追加しなくてはいけないんですね。ですから、知らなかったという方もいて当然かとは思います。
主なアクセス解析のサービスには次のような商品があります。参考にして下さい。そして、無料で、かつ高機能なアクセス解析サービスであるGoogle社のGoogleアナリティクスを次回紹介します。国内でも多くの利用者がいるサービスです。簡単な登録ですぐに始められますので安心してお使い下さい。詳しくは次回紹介します。

無料

Googleアナリティクス

Google社が提供する高機能アクセス解析サービス。全世界に多くの利用者がいる。
ウェブアナリスト ECstudio社提供。国産サービスでわかりやすく見やすいデザイン。

ユーザーヒート

ユーザーローカル社提供。ページのどこがクリックされたか等がわかる。
有料 サイトカタリスト Adobe社が提供するハイエンド向けアクセス解析サービス。
アドプラン オプト社提供の高機能アクセス解析サービス。モバイルや広告効果測定も。
ビジョナリスト デジタルフォレスト社提供。行動分析、広告分析などレポート機能が充実。
※記載の無い機能もほとんどのサービスでは実装しています。詳しくは各ホームページをご覧下さい。
代表的なアクセス解析サービス一覧 出典:アクセス解析イニシアチブwiki

■どうアクセスされているのか
ところで、みなさんはホームページがどのように見られているか、考えたことはありますでしょうか?
「そんな!目に見えないのだから、分かるわけ無いだろう!」いえいえ、ちょっと待って下さい。アクセス解析を導入すればそれが明らかになります。でも未導入でも一部ならわかるのですそれは、「あなたはどうアクセスしていますか?」と考えることです。
例えば、タカシマヤの営業時間は何時までか、を調べるとします。
(1)Googleにアクセス(2)「名古屋 タカシマヤ 営業時間」で検索(3)タカシマヤホームページにアクセス(3)トップページを見て、そこで営業時間がわかった(4)ホームページを閉じた。

この場合、タカシマヤの人から見たら、こう言えることになります。
  • 1人の人がアクセスしてきた
  • 1ページ見てくれた
  • トップページを見てくれた
  • 最後はトップページで終わった
  • Google検索から訪問
  • 訪問のきっかけとなったキーワードは「名古屋 タカシマヤ 営業時間」
しかし、もしトップページの営業時間が見つけ辛いデザインであれば、どうなっていたでしょうか。たとえば、以下の部分が変わっていたかもしれません。

  • 3ページ見てくれた
  • トップページ、11Fのページ、10Fのページを見てくれた
  • 最後は10Fのページで終わった

このアクセスから、たとえばこう解釈できるかもしれません。
「あれ?訪問のきっかけが「名古屋タカシマヤ営業時間」なのに、トップページも見てくれているのに、なぜ何ページも見ているの??見つけられなかった?」・・・と。
もちろん、実際の所はわかりません。本当に見つけられなくて3ページ見て嫌になって出て行ってしまったもかもしれませんし、営業時間はわかったものの、たまたま11F、10Fのフロアが気になっただけかもしれません。

しかし、このようにしてホームページの見られ方を知ることで、今よりさらに活用できる可能性を考えるきっかけになると思いませんか?
「よし!じゃあ営業時間をもっと見やすくデザインし直そう!」「こんなキーワードでアクセスされているのか!ウチこれは得意なんだ!もっとアピールしないと!」など活用のアイデアがどんどんと沸いてくるでしょう。
また、ホームページ運営で、たくさんの集客をするのは大変ですが、自社内での改善で成果が出るとすれば、そちらのほうが効率が良いではありませんか!
皆さんに元気を与えてくれる、そんなサービスがアクセス解析なのです。


次回は、そのアクセス解析の始め方を実例ととも紹介します。お楽しみに!