Googleアナリティクスを知っていますか?(第2回)
吉田 喜彦 記事更新日.11.10.03
有限会社 教材ドットコム代表取締役
■PROFILE
国内初のGoogleアナリティクス・Appギャラリー登録事業者。
情報系専門学校マルチメディア制作科主任を経て1997年に独立。
2004年法人化。現在はアクセス解析のコンサルティングやIT関連研修を展開。Googleアナリティクスセミナーは毎回満席と人気を博している。また、アクセス解析を広めるため自身のブログ、カグア!では4コマ漫画「Webアナリストすみれ」を描く。
教育システム情報学会会員。
■問い合わせ
有限会社 教材ドットコム                     
〒523-0002 埼玉県志木市中宗岡1-9-1
http://www.kagua.biz  
■無料の高機能アクセス解析サービスGoogleアナリティクス
Googleアナリティクスは無料で高機能なアクセス解析サービスです。

Googleアナリティクスは、Googleが高機能なアクセス解析サービスを買収し(現在もそのプロダクトはリリースされています)それを無料で提供しているサービスです。

「無料で大丈夫?」と心配されるかもしれませんが、安心して下さい。あのGoogleが提供していますのでシステムのセキュリティは安心です。また膨大なデータを処理する技術も信頼性があります。

「ホームページのアクセスのデータを外部に委託するのか?」それでもこういった声もあるかもしれません。しかしご安心下さい。以下のように、現在では多くの企業や自治体に利用されているほどです。セキュリティに最も繊細と思われる金融機関までも!

表1 Googleアナリティクスを使用している大手サイト ※弊社調べ
企業 公共機関
ユニクロ(アパレル)
タイトー(ゲーム会社)
セシール、セシール(カタログ通販)
セブン銀行、イオン銀行(金融)
村田製作所(製造業)・・・他多数
厚生労働省
国土交通省観光庁
国立科学博物館
奈良国立博物館
内閣官房 国家戦略室・・・他多数

利用は簡単です。以下のホームページから登録を済ませ、登録画面最後に表示されるプログラムをコピーし、自社サイトの全ページに貼り付けして上書きアップロードするだけです。

Googleアナリティクス公式サイト http://www.google.com/intl/ja/analytics/

また、ネットショップでは、Googleアナリティクスに対応していれば、全ページにわざわざプログラムを貼り付けなくとも、メニュー操作と簡単な設定で済む場合もあります。各社サポートへ問い合わせてみて下さい。

MakeShop http://www.makeshop.jp/
Future Shop2 http://www.future-shop.jp/
マルチドメインカート http://mdc.e-savacity.com/
Xcart http://www.xcart.jp/
豊作くんカートサービス http://cartservice.housaku.net/
ショップサーブ http://shopserve.jp/
表2 Googleアナリティクスeコマース機能に対応しているショッピングカート ※弊社調べ

■Googleアナリティクスでわかること
Googleアナリティクスではとても多くのことがわかります。逆に多機能すぎて使いこなせない!という声も聞こえるくらいです(笑)。

主な分析可能項目としては次のとおりです。

ユーザー どんなパソコンや地域から訪問があったのかなど、ユーザーのことがわかります。
広告 Googleが提供するAdWordsという広告を利用している時に、クリック率などの広告利用状況がわかります。
トラフィック どのように訪問されたのかがわかります。あなたのサイトに訪れた理由(キーワード)や紹介のされ方などがわかります。
コンテンツ あなたのサイト内で、どんなページが見られたのか、どのページから見始めたのか、などがわかります。サイト内でのユーザーの行動が見えてきます。
コンバージョン 目標やEコマース(売上)など、サイト運営の目標達成度がわかります。
マルチチャネル 間接効果がわかります。売上があったアクセスの以前に、どういったアクセスがあったのかがわかります。

表3 Googleアナリティクスの主なメニュー

また、これ以外に、アクセスの分析をより効率化する機能として、自動アラート(特定数以上のアクセスがあれば警告メールを送信する等)、グラフ機能、レポート作成機能(マイレポート、カスタムレポート)、分析機能(特定ユーザーだけに絞り込むアドバンス セグメント機能等)などがあり、活用できれば、高額なアクセス解析サービスに匹敵するレポートが作成可能です。

Googleアナリティクスをサイトに設置していただいた後は、都度Googleアナリティクスにログインし、レポートを見ます。例えば、あなたのサイトに来ている人が日々どれくらいのページを見ているのか、を知りたいときは以下のように操作します。

[ユーザー]→[サマリー] 訪問別ページビューを見ますと、平均何ページ見ているかわかります。
[コンテンツ]→[サイトコンテンツ]→[ページ]

人気ページがわかります。


どうでしょうか。導入後はこのような簡単な操作で、あなたのサイトのアクセス状況が丸わかりです!これが無料ですから、導入しない手はありませんよね。

■しかし、過信は禁物〜数字を解釈し対策を考えるのは人間
勿論、注意も必要です。いくらGoogleアナリティクスが高機能だからと言って、過信しすぎは禁物です。Googleアナリティクスが示してくれるのはあくまで数字であって、成功する具体的な施策ではありません。したがって、数字をどう解釈して具体策に落とし込むかは、担当者次第なのです。

例えば、こんなやりとりもありえるかもしれません。

上司 「おお!!アクセスが増えているではないか!!」
部下 「いや、それ単に季節要因で増えただけですから・・・」
上司 「このページ、よく見られているな!よし!関連商品をもっと開発せよ!」
部下 「その商品はクレームがネットで広がってアクセス増えているだけです。」
上司 「先週のデザインリニューアル、効果出ているな!」
部下 「いえ偶然です。何たって総アクセス数10件ですから。」

大切なのは、Googleアナリティクスでわかる数値を過信せず、そこから考え得る施策を講じて、それを評価し、ノウハウとする・・・そのサイクルを回すことなのです。車で言えば単なるスピードメーターです。大切なのは目的地に着くこと。Googleアナリティクスを活用して、効率的に目標達成する道具にしたいものです。

次回は、Googleアナリティクスを使ったサイト改善手法をご紹介します。お楽しみに!

(11月1日更新)