仕事柄、多くの会社を訪問し、経営者、管理職、社員の皆さんと話をします。訪問した会社で感じる雰囲気は千差万別です。経営者、管理職、社員の対応、仕事ぶりから感じる「しっかりとした規律ある会社」「澱んだ緊張感のない会社」、会社の敷地に入った時に感ずる場合もあれば、面談や社内を見学しながら感じることもあります。
なぜこの差がつくのでしょうか。私は「社員に考える習慣(クセ)がついているか否か」にあるように思います。
経営者、管理職と面談をするとよく愚痴をこぼされます。「社員にやる気を感じない」「私(社長、上司)の考えていることを理解しようとしてくれない」「注意やアドバイスをしても変わらない、変えようとしない」等々。
先日訪問した従業員20人ほどの鉄工所で「社員のやる気につながる人事制度を作りたい」との相談を受けました。二代目社長が予定される専務は残念そうに語ってくれました。「このままでは売上は伸びない。会社を強くするために社員の全員参加で経営課題に取り組む必要がある。取り組むべきテーマごとにプロジェクトチームを作り、社員は複数のチームに参加して活動をしてもらいたい、と現状に対する危機感や具体的な活動テーマや目指す効果等を30分以上一生懸命説明した。しかし、話し終わった後に社員に感想や質問を求めたら誰一人手を上げなかった。発言をしようとしなかった」
専務はこの状況を変えるために社員のやる気を高める人事制度の必要性を感じたようでした。
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