紙加工品(包装紙製品)から
     新たに紙製知育玩具に挑戦!

記事更新日18.11

代表取締役社長 冨田 純

【問い合わせ先】
冨田商店株式会社

名古屋市中川区十番町1-121
TEL 052-361-4080
HP http://tomita-shiki.com/
   
  今回の「あいちの製品」は、紙加工品(包装紙製品)から新たに紙製知育玩具に挑戦し、2018年11月に発売する「あそべるチェア」です。冨田商店株式会社(以下:冨田商店)は、中川区十番町にあります。地下鉄六番町駅から西へ向かって徒歩10分、閑静な住宅街の中にあります。国道1号線から脇に100m程入り、民家が重なっている細い道を抜けると社屋の裏に通じます。
  ■ 会社沿革
 

1960年(昭和35年)からこの地で創業しています。当時は帽子、薬、靴下、メリヤス肌着、陶器、腕時計・置き時計、衣料品などを入れる紙箱を扱っていました。形状が異なる商品を入れる紙箱の受注製造が冨田商店の始まりです。大きな生産設備を必要としない家内工業要素が強い製品でもあり、半世紀にわたり当地で続いている理由がそこにあります。

1985年(昭和60年)に入ると、帽子店、肌着店、時計店、衣料品店などの専門小売店が減り始めました。量販店、カテゴリーキラー(大型専門店)の台頭により紙箱の需要が減少しました。そのため、食品の贈答用箱に特化する方向性を打ち出しました。2008年に父親から事業承継して社長に就任し、食品贈答用箱、ギフトの基盤づくりに努めました。
そして現在は紙器事業とギフト事業の2つ柱で会社を支えています。2018年度(平成30年度) あいち中小企業応援ファンド助成金交付決定先とされ、冨田商店ギフト事業として紙製「あそべるチェア」を開発し、2018年11月中旬に販売します。


   

  ■ 2017年「工業統計調査」
  愛知県はパルプ・紙・紙加工品は全国4位です。
意外にも愛知県はパルプ・紙・紙加工品の扱いが多い県です。
春日井市に王子製紙の工場があることも理由の一つですが、 工業用製品・商品を梱包するために、紙加工が必要であった 背景があると推測します。
少しこじつけもありますが、紙加工品も「あいちの製品」に 含めることができると考えました。


   

  ■ 紙器事業


   

   
  紙器はオーダーメイドの製品であり、現社長の提案営業が製品に繋がっています。必要に応じて外部のデザイナーを使いながら、どこをどのような折を入れると良いのか、頭でイメージしながら製品にあった紙器を作り上げます。
   
  ■ 紙器の製造工程
  材料の大きなシートが入荷します。それを依頼サイズに裁断します。これは主に1階で行われています。 その工程は至ってシンプルです。材料の入荷 → 製品規格サイズに裁断 → 角の裁断と折り目を付けた紙を2階に上げて、


   

  熟練パートがデザイン紙の糊付け作業とそれを箱へ組立てる作業を行います。糊付け → 組立て → 乾燥 → 出荷。


   

   
  ■ ギフト事業
  チョコレート、キャンディ、クッキーを入れたかわいらしいパッケージの製品です。 手のひらサイズからソフトボールの大きさなど様々です。歌舞伎の隈取(くまどり)をデザインした金太郎飴は東京の劇場で販売しています。2階事務所入口横には扱っているギフトサンプル製品が並んでいます。ドラゴンズのコアラは目の部分がオペラグラス(観戦観劇用の小型の双眼鏡)になっています。


   

  ギフトパッケージは社長がデザインし、それを外部にて製造し、本社へ移動させます。本社2階では主に詰め作業をしています。


   

   
  ■ 知育玩具 遊べるチェア
 

あそべるチェアは知育玩具でもありますが、教育産業の中で取り扱うにはライバル製品が多数あります。ニッチな市場で戦うためにも冨田商店が得意とする「ギフト産業」の中で販売することを想定して開発しました。父母の誕生日などに小さな子供からプレゼントを貰った母親がそのお返しに、じーじ、ばーば(おじいさん、おばあさん)が遊びに来た孫へのプレゼントなど、子供が貰って嬉しい製品です。


縦40cm、横60cm。奥行4.5cmのサイズは、小さな子供が抱きかかえて運べる限界のサイズです。抱きかかえた子供にワクワク感を抱かせるパッケージサイズでもあります。もちろん中は紙製品のため軽量です。


   

 

白色の強化段ボールを、設計図を見ながら30分〜60分の時間を掛けて組み立てます。子供が父母、じーじ、ばーばと一緒になって図面を見ながら組立てる光景が目に浮かびます。完成後は子供がお絵かきすることもできます。情操教育や子供とのコミュニケーションに大いに役立ちます。

ドライバー、ハサミ、カッターを全く使うことなく組立てることができます。安全と安心を兼ね備えた製品です。希望小売価格は2,000円+消費税です。

   
  ■ 取材を終えて
  ギフト製品をどのように展開したら良いのか、日夜それを考えている冨田社長です。帰り際に和菓子をモチーフにしたトランプを引き出しから出しました。販売する製品ではなく、会社と紙製品と和菓子を世界共通で理解できる宣材として作られました。直ぐには製品につながらないが「ものづくり愛知県」の姿勢を伝えることができるトランプと思いました。


   


   


   

 

自社ホームページ
http://tomita-shiki.com/

平成30年度 あいち中小企業応援ファンド助成金交付決定先
http://www.aibsc.jp/Portals/0/shinjigyo/H30.4.2-saitaku.pdf

 

文責 YA(ワイエイ)ビジネスサポート 杉本 安行