ホームページの間接効果は意外にも大きかった(第2回)
加藤澄江 記事更新日.06.09.13
ソーシャル・コーチング・センター株式会社 代表取締役 
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前回は3C分析(自社分析・顧客分析・競合分析)にもとづき、ホームページコンセプトを明確にしたところまでご紹介した。
今号ではホームページを改変する際に、検索エンジン対策(以下SEO)として意識したタグ(Webページを記述する文字列はHTMLというWeb作成のための言語である。HTMLでは「<」「>」でくくられた命令を記述することにより、文字列や画像をどのように表示するかを定義 する。この命令のことをタグと呼び、タグは必ず半角英数字で記述します)について解説していきたいと思う。
■ページタイトル
まず、はじめに変更したのが<title>タグだ。<title>タグはその名が示す通り、ページの表題を表す重要なタグであり、SEOでは最重視されるタグである。検索エンジン上では、画面(1)のように検索された際のタイトルとして出力され、ユーザーがもっとも注視する文章となる。
 
画面(1)
変更以前は「ソーシャル・コーチング・センター株式会社」と、会社名を<title>タグに設定していたが、検索エンジンから訪れる場合、固有名詞である会社名で検索するユーザーは極めて少ないのが一般的である。SCCでは実施した3C分析・Webコンセプトを通じ、「コーチング」「名古屋」「東京」「講座」をそれぞれ重要キーワードと設定し、<title>タグにはこれらキーワードを盛り込み「コーチング講座を名古屋と東京で実施」とした。
SEOにおける<title>タグ設定時の留意点として、2点お伝えしておきたい。

1点目は、重点キーワードはなるべく前方に配置するという点だ。例えば「コーチング」「講座」で検索してもらいたいのであれば、「東京と名古屋でコーチング講座を実施」よりも「コーチング講座を名古屋と東京で実施」というように、対象のキーワードを前方に配置する方が、上位に表示されやすいといわれている。

2点目は、重点キーワードがタイトル全体に占める比率を高めるという点だ。「コーチング講座を名古屋と東京で実施」であれば、全体17文字に対して、7文字のキーワード比率となるので、キーワードが占める割合は41%となる。「コーチング講座を実施」となれば、全体10文字に対して、キーワードの占める割合は70%ということになる。いずれも意識し過ぎて意味の通じない文章では、本末転倒であるため、このような留意点も勘案しながらタイトル設定することが大切となる。

■見出し
続いて配慮したタグが、本文中の見出しを示す<h1>〜<h6>タグである。hの後方に続いている数字は見出しのレベルをあらわし、1は第1レベルの見出し、2は第2レベルの見出しであることをあらわしている。これらは本文中の見出しや小見出しを示す要素であるため、<h1>タグの大見出しの内容ほど重要度が高いと考える。

わかりやすいページづくりで重要なのは、ページ文章を設計する際に、文章のツリー構造を意識することである。<h1>タグを根として、根から幹、幹から枝、枝から葉、というよう図(1)に、より重要な部分から順に階層状に展開する構造を、適切な見出しレベルを用いて適用していくのだ。この意味で、これら要素は、文章構造を表現するというHTMLの性格をよくあらわしている要素といえる。
 
図(1)
これらを踏まえSCCでは、以下のように見出しタグを配置した。

<h1>タグ:コーチング研修・講座を名古屋・東京で実施。コーチ育成・子育て・生き方探し・ビジネス・・・。
  <h2>タグ:ソーシャル・コーチング・センターとは?
   <h3>タグ:「企業・経営者向けコーチング」
   <h3>タグ:「プロフェッショナル・コーチ育成プログラム」
   <h3>タグ:「APP親と子のコーチング」
  <h2>タグ:当社の「プロフェッショナル・コーチ育成プログラム」が支持されている理由
   <h3>タグ:「1.互いに手を取り合って学びあえる少人数制 」
   <h3>タグ:「2.5年間再受講無料制度」
   <h3>タグ:「3.現場で実践しているコーチが授業を担当」
   <h3>タグ:「4.さまざまなケースに応じた授業スタイル」
   <h3>タグ:「5.「人生」というスパンでのコーチ」

ただし留意点として、文書のなかで最初に出現する見出し要素は必ず<h1>要素とし、見出し要素が、<h2>要素から始まるようなことのないようにしなければならない。
■alt属性
テキスト文書だけで制作されたWebページと、イメージ画像を多用して制作されたWebページでは、イメージ画像を多用して制作されたWebページの方が、見やすくスタイリッシュな印象を与えやすい。

しかし往々にしてイメージ画像を多用した場合は、HTML文書では<img>タグによって記述されることになるため、イメージ画像に埋め込まれたテキスト情報は、イメージ画像と一体化されてしまい、検索エンジンからは1イメージ画像としか認識してもらうことができない。

 しかし<img>タグのalt属性を活用すれば、検索エンジンにおいてもイメージ画像内のテキスト情報を認識させることが可能になっている。もともとalt属性は、イメージ画像がブラウザで表示できない場合の代替テキストを設定するために使用するオプションだ。クローラー(ロボット型検索エンジンにおいて、インターネット上のサイトを定期的に巡回するプログラムのこと)はこのalt属性で設定されたテキスト情報を、読み取り検索エンジンのキャッシュ情報に保存してくれる。

SCCではすべてのメニュー項目をはじめとする各イメージ画像について、検索キーワードを適切に埋め込みながらalt属性を設定した。これにより、ページ内文書に占める検索キーワード比率も大きく高めることが可能となった。
中小企業を対象に、ホームページ戦略策定・SEO対策・アクセス解析・ 運用支援と企業ホームページ全般のプロデュースを行っている。
リップル http://www.rip-ple.com/
あいち専門家グループ http://www.asg.name
HTMLには多様なタグが存在するが、SEO上重要なタグといえば数える程度しか存在しない。今回ご紹介したそれぞれのタグを貴社で見直し、改変するだけでも、相当なSEO効果を得ることができるものと思う。もちろん主要なタグを知ることはとても重要なことであるが、それ以上に、それぞれのページの存在価値を明確にすることが、SEOタグを100%活用できる前提条件になるものと思う。

次回はSCCがアクセスアップを目指して取り組んできたさらなる詳細をご紹介していく予定だ。