アウトドアスポーツで山林を有効活用!
中島 寛子 記事更新日.11.09.01
26ism(ニイロクイズム)
■問合せ先
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HP:http://www.26ism.com/
Email : mtb26ism@hotmail.co.jp
■創業の動機
私は、社会人時代に通勤用にとスポーツ自転車を買いに行き、マウンテンバイクに出会いました。そして見学に行った大会で主人と知り合い結婚、その後転勤で住んだアメリカでの6年間は、週末になると州立や市立公園内にある多くのマウンテンバイク専用コースでライドを楽しむと同時に、自然の中でスポーツを楽しむことの素晴らしさを改めて実感しました。アメリカではマウンテンバイクは親子で気軽に楽しめるスポーツとして地位を確立しています。

一方日本では、マウンテンバイクの専用コースといえば、スキー場が夏場のみコースをマウンテンバイクコースとして運営するくらいで、都市部に近い常設のコースが乏しいことから、私有山林地や登山道、林道を走るライダーが増え、登山客と接触事故が起こるなどの問題が起こりスポーツ人口が激減していました。

アメリカでの体験を通して、「日本でも常設の専用コースを造ることでこれらの問題を解決し、マウンテンバイクをもっと普及させたい!」と考えるようになったのが創業のきっかけです。

■コースができるまでの道のり
しかし、いざ「マウンテンバイク専用のコースを造りたい!」と言っても、私は山林を持っていません。調べていく中で、日本では今、国産の木材価格が下落し「遊休山林地」と呼ばれる放置山林が増えていることで環境の悪化など深刻な問題となっていることを知りました。 コースを設置する場所には受付業務をする建屋や駐車場、トイレの設置などが必要です。それらを自分で設置するとなると莫大な資金が必要となります。考えた結果、キャンプ場周辺の山林地をコースとし、キャンプ場に受付業務を委託し、施設の利用も可能にできることを思いつき、まず東海地区にキャンプ場のある森林組合にビジネスプランを聞いていただくことを始めました。

そんな中、くらがり渓谷キャンプ場のある岡崎市の岡崎森林組合長が私のビジネスプランに興味を持って下さり、コースに適した山林とその所有者の方達を紹介して下さいました。

日本の山林は細かく所有者が分かれていて、2キロのコースを造るのにも6名の山林所有者の方の賛同が必要でした。途中、なかなか話が進まないこともありましたが、受付業務を委託するキャンプ場において何度も説明会を行いました。そして岡崎森林組合のみなさんや、26ismの理念に共感したファンの方達がボランティアとして造成に協力くださり、2010年8月、岡崎市くらがり渓谷キャンプ場そばの山林地にて第1号コースをオープンすることができたのです。

そして、第1号コースオープンから1年後の2011年8月、豊田市三河高原キャンプ村にて第2号コースをオープンすることができました。

コースはキャンプ場がそばにあるので、家族や仲間とマウンテンバイクとアウトドアを同時に楽しめるとあって、東海地区を始め全国のマウンテンバイクファンに、新しいコース運営の在り方として注目されています。

また、山林所有者の方々が、「相続して放置していた自分の山が健康的なスポーツをする人の役に立ち、また幅広い方々が遊びに来てくれて地元を明るくしてくれているのが大変嬉しい。今後も協力したい」と応援して下さっていて、マウンテンバイクというアウトドアスポーツを通して、人と地域を繋ぐお手伝いが出来ていることが何よりの励みになっています。

■「創業プラザあいち」との出会い
提携に向けてキャンプ場や山林所有者との交渉が進む中で、もっと自分のビジネスプランをブラッシュアップしたいと考え、名古屋商工会議所主催の「創業塾」に参加しました。「創業プラザあいち」のコーディネーターの先生が講師だったことから、創業プラザの存在を知りました。

また、ゲスト講師に、「創業プラザあいち」卒業生である、株式会社アクションパワー代表の大津たまみさんがいらっしゃり、ご自身の起業時に「創業プラザあいち」とそこで知り合った仲間の存在がとても大きかったというお話を聞いて、「私も入居して起業を成功させるぞ!」と決意し、早速申し込んだのがきっかけです。

■創業プラザの活用
交渉中であった山林所有者やキャンプ場との契約書関連、会員規約の内容・文章チェックなどを「創業プラザあいち」のコーディネーターであるプロの先生方に無料で相談できたのが大変ありがたかったです。

また、プラザ内で催されるプチセミナーで経営に必要な勉強をすることができたり、入居者や卒業生との交わりは業種を超えて多くのユニークなアイデアを生む、宝の時間でした!

そして、昨年11月の「創業ビジネスプラン発表会2010」にも発表者として出させて頂き、個人事業で起業したばかりの私も、「あいち産業振興機構に支援されている事業者」という大きな信用を得て、その際に貴重なご縁を頂きました。ひと月後に第2号コースの候補地であった豊田市の三河高原キャンプ村との契約が成功したのも、この発表会に出られたことが大きな要因であったと思います。
■事業概要
マウンテンバイク・トレイルパークを運営する26ism(ニイロクイズム)は、会員からの年会費を主な収益とし、山林所有者に山林地利用料を支払い、受付キャンプ場に受付業務費用を支払うことで自立した山林地活用の仕組みを創り、愛知県内に2つのマウンテンバイク専用の常設コースを提供しています。
また、初心者講座などマウンテンバイクに関連するイベントの企画・運営や、レース会場としてもご利用頂いています。

@ 様々なマウンテンバイクの楽しみ方を提供し、家族や仲間との楽しい時間を創出
A スポーツによる山林の有効活用と山林環境の健康回復
B にぎわいの創造による地域活性化と森林に関わる人々の活性化

■事業の現況
2010年8月には岡崎市くらがり渓谷キャンプ場そばに、マウンテンバイク専用コースとして第1号コース『くらがりトレイル』をオープンしましたが、山林所有者の要望により「会員制」であるのと、地形が険しく、コース内容がテクニカルなため中級〜上級者向けのコンテンツとなり、会員数は30名強に留まり、収益はイベントやレースに頼っていました。

2011年8月には、豊田市三河高原キャンプ村の中に第2号コース『あさぎりトレイル』をオープンし、 緩やかな地形に初級〜中級者向けのコースが出来ました。こちらのコースは、会員はもとより一般のお客様にも開放し、キッズコースも併設されていることから、キャンプ場を利用するお客様も山林の中を自転車で駆け抜ける楽しさを体験して頂けます。

起業して1年たった今、親子で気軽に楽しめる初級コースと、テクニカルな上級コースの2本柱のフィールドが完成したところです。

■今後の事業展開
現在、事業としてはマウンテンバイクを軸に進めておりますが、同じようなフィールドを共有するトレイルランニングやヨガ等のイベントにコースを提供し、幅広くアウトドアスポーツと山林を繋げて事業を展開します。
 また、法人会員の提案を始めましたので、地域企業やスポーツに関連する企業との関わりを深めて行き、CSR活動にリンクして組織風土改善の場としての利用や、コース内外での企業の宣伝広告やイベントを提案していきます。
 26ismは、「地域の活性化」・「自然環境への意識向上」・「青少年のアウトドアスポーツ教育」に貢献しながら、地域の皆様とご支援頂いている皆様と共に成長して行きます!