昭和58年、名古屋市中川区高畑に「フィレンツェ」というケーキ店が開店する。ケーキ店の多くは、ケーキ職人が店で修行を積み、独立開業を果たすのが一般的である。ところがこの店の主、小島祐助氏は洋菓子の修行などただの一度もなく、パンの製造販売会社に勤めた後、昭和56年、社長の父親が経営する和洋菓子店「中村屋」へ入社、その2年後にプリンも焼けずシュークリームも作れずという「ズブの素人」である。当時の常識では無謀と思われた開業も、高畑店の開店を皮切りに、その近隣に店舗を拡大、洋菓子店「フィレンツェ」は4店に、さらに、チョコレートカフェ「クオレ」、焼き菓子専門の「マエストロ」を立ち上げ、いずれも人気店として多くのお客様から支持を受けるまでになった。
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