放電加工技術は、金属に触れずに加工する「非接触加工」技術である。電極と加工物との間に放電(落雷)現象を起こすことで、切断加工する技術である。
有限会社サンメンテナンス工機の創業社長である深井重貴氏がワイヤ放電加工機用フィルターのクリーニング事業を立ち上げたのは1985年のことである。ワイヤ放電加工機といえば、当時はまだ非常に高額な設備で『持っているだけで儲かる』と言われるほどでした。そんな中、電極線を取り扱う商社に勤めていた私の弟から『現場の人達が加工機のフィルターを苦労して洗っているが、気休め程度にしかきれいにならず、すぐに交換をしなければならないため、かなりコストがかかっているらしい』と聞いていたのがこの事業を始めるきっかけでした」と深井社長。
「調べてみると、フィルターの多くは銅が酸化してロクショウで目詰まりを起こしていました。私が大学で表面処理の研究をしていたため、これはメッキ技術を応用すれば目詰まりを落とすことができるのではないかと思いついたのです」。
使用する溶剤を始めとして試行錯誤の結果、独自手法を開発、フィルターの洗浄サービスはユーザーの大きな支持を得た。
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