当社は産地の追い風を受けた大正12年、稲葉金治郎氏が創業、昭和14年に法人化する。戦後も形原へは漁業関係者よりロープや漁網の注文が集中し、昼夜を問わず綱や網を作り続け、昭和40年代には地域の就業者数1万人、100社を数えるまでになっていたが、200海里問題などによる遠洋漁業の衰退で大打撃を受ける。
「形原のロープ産地も現在ではある程度の規模のある企業は15社、家業で操業しているところも20社ほどに減少してしまいました」と話す現社長の稲葉隆志社長。
「漁業での需要が激減してしまったため、需要先を陸上へ求めることになりました。土木建築用や農林業、酪農用向けに転換していきましたが、そこでもロープを使用していた部分が、ベルトやラチェット、ワイヤーに置き換わるなど、繊維ロープの機能が他に代替していき、この分野も需要減となってしまいました」。
そこで3年ほど前、会社案内程度であったホームページを一新、「営業ツール」を強く意識した内容にしたところ、ネット経由の注文が40倍に増加するまでの効果をあげた。
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