コオメイ工業株式会社は、昭和39年高須輿曾一氏が勤務先より独立創業、法人化するのは後の昭和44年のことである。
創業の地は三州瓦の産地である高浜市。瓦メーカーの嘆きを聞いていた。
「釉薬を瓦に塗るのに、ひしゃくを使っているのだが、手間も時間もかかる。なんとかならないか」。
そこで、サイホンの原理を利用して釉薬をくみ上げ、簡単に瓦に塗布する「手塗りサイホン機」を開発したところ、ヒット商品となり、後には「自動施釉搬送装置」と改良され、全国の産地で導入された。これをきっかけに当時「コオメイ」の名は屋根瓦業界では「瓦に特化した自動化・省力化専門メーカー」として知れ渡った。その後は、釉薬の塗布だけでなく、パッキングなど瓦の製造・出荷ラインの自動化装置まで手がけ、現在では韓国、中国、インドネシア、マレーシア、スリランカ、ドイツ等へも製造プラントの一部として輸出を行っている。
「アジア圏では瓦は高級住宅に使われますし、欧州圏でも石の次に高級な素材として扱われています。そんな中、日本の設備はシンプルで生産効率が高いと評価を受けており、まだ拡販提案の余地があるようにも考えています」と現社長の高須泰史氏。
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