当社でリサイクル製造する飼料は乾燥飼料と液体飼料の2種類があり、それぞれに特徴を持つ。
「乾燥飼料は既存の設備が利用できますが、液体飼料は新しい給餌の設備が必要になります。反面メリットもあります。デンプンを餌にすると肉質が上がるのですが、乾燥飼料では材料費が高くなってしまいます。飼料代は飼育原価の6割を占めるため、養豚業者の経営を大きく左右します。そこで、デンプンを含むじゃがいもの皮を使った液体飼料にするとコストダウンとなり養豚業者にも大きなメリットです。また、消化が良いため養豚期間が短縮することから、1匹あたりの飼料の量が減らせることになります。加えて、豚舎が空く期間もできますので病気も減らすことができるメリットがあります」。
これら飼料の原料となるリサイクル食品の仕入先は多岐にわたる。
乾燥飼料はもともと乾燥していた食品、パン、お菓子クズ、インスタントスープ、バームクーヘンなどを原料としており、液体飼料はもともと水分を多く含有していた食品、ニンジンくず、モヤシくず、じゃがいもの皮、牛乳、シロップ、寒天ゼリー、味噌、甘酒、塩こうじ等が原料となっている。
「原料は、廃棄物として当社がお金をいただいて処理するものが多いのですが、質の良い物だけを吟味して回収する場合などには、有価物としてお金を当社から代金をお支払いすることもあります。また、利用量を慎重に調整したり、リサイクル飼料に向かない材料もあります。例えば、味噌や塩こうじなどは塩分濃度を計算して適正量を混ぜる必要がありますし、豆腐のように植物油などが含まれているものは脂が多くなりすぎてしまうため使えません。このように食品製造工程を熟知し、引き取る材料の目利きも必要で、なおかつ科学的なアプローチがなければ、よい飼料はできません」と、どんな食品でも飼料としてリサイクルできる訳ではないと食品リサイクルの難しさを語る。
現在は売上の90%が飼料を占める主力事業である。
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