リーマンショック後の長引く停滞感から脱するキッカケが巡ってきたのは2年前。TV番組「ほこ×たて」への参加である。
これまで大手ドリルメーカーや加工メーカーが6戦し歯が立たなかった日本タングステン製の「絶対穴の開かない金属」に、地元の工具メーカーをはじめとする「中小企業連合軍」の一員として挑戦する企画であった。参加企業は、設計、加工装置、制御システムなどそれぞれの得意技を担当する中、当社は勝敗に直接関わる「ドリル製造」に携わった。結果は見事完勝。中小企業の技術力の結集が、難攻不落と言われた金属に風穴を開けた。
「当初は『ほこ×たて』に出演できるという事で、当社の様な町工場が有名番組に出演できるという事自体に喜んでいました。しかし、対決直前までの参加企業の皆さんの勝負に対する真剣さ、自社の技術に対するプライドを目の当たりにし、『このままではいけない。もっと新しい事に挑戦していかなければいけない!』という強い焦りを感じました。」「そこからは動きが早かったです。展示会出展、経営革新計画の取得、補助金申請など今まで取り組んだ事のない事にどんどん挑戦していきました。」真剣に考え、動く事で必ず反応が返ってくる。停滞感が払拭され、会社が前進している雰囲気が社内に生まれてきた。
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