ぬくもりの色株式会社の浅井敏江社長が創業したのは、2014年に勤務先の名古屋営業所が廃止となったことがきっかけ。
「このときは、どんな事業をするかは決まっていなかったのですが『挑戦する人生』にしたいと考えたのです。勤務時には貿易事務の仕事をしていましたので、その経験が活きる雑貨の輸入代行のようなビジネスをネットショップでやれないかと漠然と考えていました。実は、ネットショップ作りは少し自信がありました。以前働いていた英会話学校では、営業サポート用の資料や学習ツールを作っていました。お客様が何を欲しがっているのかを想定してわかりやすく提案することや、お子様向けのわかりやすい学習ツールを作ることが得意で、同僚からの評判も良かったのです。こうした経験がHPを作る上では必ず役に立つと考えていました。当時の私を知る人も『一番向いているかも』と言ってくれていました」と当時を振り返る浅井社長。
では、商材はどうするか。自宅を利用できること、流行品や食品などの厳しい鮮度管理が必要でないものなどの条件から雑貨を中心に幅広くマーケットリサーチを実施。その中で着目したのがハンドメイド作品。ハンドメイド作家が知られ始めた頃で、自分で物をつくりつつ布販売ができないかと考えた。
「大手の布地販売店やチェーン店を訪れたのですが、地味な色ばかりで自分が思い描くような明るい色の布は見つかりませんでした。それなら海外からでも気にいるものを買っちゃえ、と探し当てたのがアメリカの布地メーカーART GALLERY FABRICSでした。ひと目で気に入り、個人の趣味として布を買うのではなく、ビジネスとして販売前提で購入すること、ハンドメイド作家などが布を使い作品化し販売化することなどの交渉をし、許可をとりつけました」。 |