Web2.0時代のインターネットショップ作り 店舗運用編
辻村智恵子 記事更新日.08.02.06
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1. はじめに
今回はWeb2.0時代ならではのインターネットショップ運用編と題してインターネット上に出店する際そして、出店した後の店舗運用についてご紹介させて頂きたいと思います。
お読みくださった方も中にはいらっしゃるかも知れませんが筆者は少し前に「次世代インターネット概念 Web2.0とは?」という題目でWeb2.0企業の特長をご紹介させていただいた事がありました。その中でWeb2.0企業とは「ユーザーやサービスを主軸としたネットビジネスを展開している企業」とご説明をさせていただきました。つまり店舗運用から見た場合「Web2.0時代のネットビジネスを成功させるためにはユーザーやサービスを主軸とした運用が必須」と言い換える事が出来ると思います。
2.  Web2.0時代に必要とされる店舗運用のキーワード
上述させていただいた「次世代インターネット概念 Web2.0とは?」をお読みくださった方にはおさらいになってしまいますが、ユーザーから見た場合のWeb2.0企業の特長を下記に記載させていただきます。

(1) デバイスや場所、時間、環境に依存しない「いつでも何処でも」を実現できるサービスを提供できる企業
(2) 共有から価値を見出せるまたは価値を生む仕組みを提供できる企業
(3) 真にユーザーが求めているサービスを提供できる企業
(4) マスとニッチの関係の変化に気付き自社の商品の販売、展開方法を柔軟に変更できる企業
(5) ユーザーを信頼する企業
2−1. 「いつでもどこでも」を実現するためには?
インターネット上に店舗を開設するので24時間365日営業している店舗ともいえますので「いつでも何処でも」というキーワードに当てはまりますが、より一層顧客層を広げるためには「モバイルショップ」をオープンさせることです。
近年ではインターネット接続ツールとしてはパソコンよりは携帯電話からの接続が多いといわれています。顧客層を広げるためにはパソコンから接続するだけでなく携帯電話からも接続できる事、これがポイントになります。モバイルショップをオープンさせる事でより「何時でもどこでも」を実現できることになります。

「モバイルショップ」をオープンする上で気をつけていただきたい点があります。

皆さんも携帯電話でインターネットへ接続された際にお気づきになられているとは思いますが携帯電話の画面はパソコンの画面に比べて非常に小さいです。ですからあまりに凝った画面構成や細かい画面構成は不向きです。シンプルでわかり易い画面構成にする事が必要となります。

その他には携帯によって閲覧できる文字が変わる可能性があるという事です。Au機種では表示されてもDocomo機種では表示されない文字が存在します。一番よいのは其々の携帯会社毎のモバイルサイトを作成することですが、接続してくる携帯毎に判断してその対応しているページを表示させないといけないなど技術的に少し難しくなりますので、ごく最近販売されている携帯電話に対応しているページを作成する程度でも大丈夫でしょう。
2−2. 共有から価値を生む?
インターネットショップに尋ねてきてくださったお客様、お買い上げくださったお客様と双方向のコミュニケーションから生まれてきたアイディアを店舗運営に活かす事ができたらどんなにか素晴らしい事でしょう。

良くある手法としては
◎ インターネット店舗運営者のブログ開設(大抵は店長さんのブログですね)
◎ 商品を購入してくださった方の感想やご意見を掲載する。
◎ 商品の新しい使い方を募集するまたは提案する。

などですね。いずれにしても一方通行の運営者または購入者(閲覧者)が書き込むだけでなく、双方の閲覧、書き込みが自由にでき意見交換が出来る場となることが必要です。インターネット店舗上に掲示板やブログを開設するだけでなく、店舗運営者が定期的に書き込みをする、書き込んでくださったお客様に対して返信をするなどの日々の細かいフォローが必要となります。

とはいえ・・・ここで問題なのが店舗を開設しただけでお客様が頻繁に訪ねてきてくださって意見を書き込んでくださるかどうか、ですね。
お客様にアピールするためのノウハウについては後述の「その他の運用のコツ」で併せてご説明させて頂きたいと思います。
2−3. 真にユーザーが求めているサービスの提供とは?
この項目の対策は細かく見ていけばインターネットショップで取り扱っている商品などによって対策が変わってくるところでもありますので全般的に「求められているもの」という視点でご説明させて頂きたいと思います。

お客様が求めているものその1
「明確さ」ですね。

◎ 店舗自体の明確さ
取り扱い商品は何なのか
何処に何が掲載されているのか
検索できる仕組みがあるか     

特に店舗の入り口となるトップページが複雑難解なページではお客様は商品になかなかたどり着けずに諦めて他のショップへと移ってしまいます。トップページはわかりやすくは鉄則になりますね。 また目的の商品があるかどうかまたは目的の商品にたどり着くことができるように店舗内(サイト内)に検索機能も付いているとより良いでしょう。

◎ 商品購入に際しての明確さ
商品そのものの明確さ
商品購入方法の明確さ
購入後から商品到着までの明確さ     

商品の解説はもとより商品の写真などで工夫をすることも一つですね。1ショットだけでなく複数ショットもあるとより明確になります。商品の購入方法の明確さの必要性は前回でもご説明させていただきましたが購入の流れが不明確ですとせっかく購入する気持ちになったお客様が離れてしまいます。他にも購入後から商品到着までの期間を明確にするのも重要な「求められていること」になります。もちろん購入前に期間がわかることが必要です。商品の解説のところに「今ご購入いただくと○日後に商品が到着する予定です」という一文があるといいですね。後は購入してくださったお客様に対してお礼のメールと共に商品到着の予定日を記載することと、商品発送の際にも連絡メールを送信することなども重要ですね。他の手段としてはお客様が実際に発注された商品が今どのような状況(手配中なのか発送途中なのかなど)が確認できる画面を用意するなどでもよいでしょう。

 お客様が求めているものその2
「付加価値となる情報」ですね。

2-2でも記載させていただきましたが既に商品を購入した方の意見や感想なども付加価値情報となります。ですから商品購入前に購入した方の意見や感想を参照できるような仕組みが必要ですね。 そのほかにはその商品を購入した方が他にどのような商品を併せて購入しているかなどの情報の提示ができるとよいでしょう。ピンポイントでその商品だけを購入されるお客様もいらっしゃいますが大抵のお客様はその商品にリンクして、関連のある商品をお探しであったりまたは同じ志向(嗜好)をお持ちであったりしますから 、傾向として他のお客様と同じような商品を購入される可能性は高いと想定されます。またそれらの情報を提供することでお客様自身が持っている漠然とした「必要」「欲しい」「探していた」という気持ちをより具体的にしていただくことも出来ますので有益な情報提供といえるでしょう。

お客様が求めているものその3
「即時性」ですね。

2-1でも記載させていただきました「いつでも何処でも」に関連しますが場所や時間を制限せず、いつでも何処でも直ぐに商品の購入ができるということも「求められていること」になると思います。そのほかにはなるべく短期間で商品が届くことや状況が直ぐにわかること(明確さにも関連しますね)が必要になります。

お客様が求めているものその4
「希少価値」ですね。

取り扱い商品の選択にも係りますが、インターネットショップに求められているものの一つには「ニッチ」な商品を取り扱っているというところですね。  
「ニッチ」である商品とは、一般の店舗営業をする上で商圏の中に想定される購入者が少ないため取り扱いをなかなかされない商品であるものと、原材料や生産者の都合で商品そのものの製造数(生産数)が少なくて一般の店舗を含め入手できず販売が難しい商品の2パターンが存在すると思います。 
前述の「ニッチ」商品の場合はインターネットショップでの取り扱いにかなり向いている商品になります。というのもインターネットショップの場合商圏はインターネット接続が可能なお客様全てであり、大きく見れば「全世界」とも言えます。一般の店舗では商圏がどうしてもその店舗から○Km以内などとなってしまい、販売する品目もその「商圏」に左右されることが多いのですがインターネットの場合は「場所、時間」に左右されませんので一般店舗の商圏では「ニッチ」であっても全国、全世界で見た場合には商品として取り扱えない「ニッチ」ではなくなるわけです。
後述させていただいた「ニッチ」の場合ですがこれはその商品がどれだけ世間に認知されているかにもよりますが一番大変なのが「仕入れ」になると思います。一般店舗含めて激しい仕入れ競争に打ち勝たなくてはなりませんのでインターネット店舗、一般店舗いずれにしても取り扱いが難しい商品となるでしょう。
2−4. マスとニッチの関係の変化?
インターネット店舗によるニッチ商品の取り扱いや関係の変化については2-3で記載させていただいたとおりです。「商圏」の中で多くの人に支持され購入されるヒット商品であっても「商圏」の枠を超えず、数にしてみると商圏の狭い一般店舗のヒット商品と全世界が商圏となったインターネット店舗で販売するニッチな商品の購入数と実はさほど変わりがないのでは?と気付くかどうかですね。また気付いた際にインターネットで取り扱う商品を柔軟に変更することが出来る、またニッチ商品購入者へのアプローチの仕方を工夫するなど店舗運用販売戦略を柔軟に変更し、利用者のニーズに応えていくことが必要ですね。
2−5. ユーザーを信頼する企業?
今後はユーザー(お客様)に対して一方的に情報や商品を提供するだけでなく、ユーザーをインターネット店舗運営の一員として迎え入れ、信頼し共に商品を共同開発していく仲間という認識が必要でしょう。 その為に双方がストレスなくコミュニケーションできる環境を整える必要があります。2-2で記載させていただいたようなブログや掲示板などの活用も手段の一つですね。
3. その他の運用のコツ
3−1. インターネット店舗の宣伝?
せっかくインターネット店舗を開設したところで誰も店舗を訪れてくれ なければ意味がありません。その為何らかの宣伝が必要ですね。
例えばですが
◎ メールマガジン発行
    新商品情報など顧客が興味を持つような内容を定期的に掲載します。お得なクーポン情報やプレゼント情報などを入れてみるのもよいでしょう。
◎ 検索エンジンへの登録
    ネットショップ検索エンジンなどにインターネット店舗の情報を登録します。
◎ ブログの活用
    ブログでお客様とコミュニケーションをとり双方の信頼をより厚くします。
◎ リンク集への登録
    リンク集へインターネット店舗の情報を登録します。
◎ ランキングサイトへの登録
    ランキングサイトにインターネット店舗の情報を登録します。
◎ 掲示板への書き込み  
◎ ショッピングモールへの出店  
◎ 相互リンク  

等の宣伝方法があります。いずれか単体で利用するのではなく、複数組み合わせて継続的に宣伝をしていく必要があります
3−2. SEO対策でアクセス数を増やす
SEO対策とはSerch Engine Optimization:検索エンジン最適化の事 を言います。
SEO対策をすることで検索結果の上位に表示されるようにし、アクセ ス数を増やすことが出来ます。
3−3. アクセス状況を分析する
自身の店舗にどの位アクセスされているのか?アクセス数が多い時間帯やどの検索エンジンを使って検索した結果アクセスしてきているのか・・・など等それらの分析情報を元にSEO対策を実行すればより効果的でしょう。
3−4. お客様へのメールは心をこめて
ご注文確認メール、配送完了メールなど・・お客様とはお買い上げ頂いた商品 が無事に届くまで連絡することが必要です。インターネット店舗では直接顔を 見ての接客や電話での対応などが殆どありません。メールで冷たい印象やいい 加減な印象を与えてしまってはそのお客様はリピータになってはくれません。 メール送信は是非心をこめて対応いただいたほうが良いと思います   
Web2.0時代のインターネットショップ作り・・・いかがでしたでしょうか?
なかなか運用面も大変ですがお客様と共に成長するインターネットショップを目指して 見てはいかがでしょうか?
インターネットショップでも一般のショップでも、最終的に大切なのは「お客様」を大切 にする心、真心のこもった対応ですね。どちらの店舗にしても相手にしているのは機械で はなく、人間ですから。その点は忘れてはいけないところだと思います。     
参考文献
ショッピングカート比較
http://www.sslcart.jp/
ホームページの作り方
http://www.aflat.com/digital/
インターネットかわら版
http://www.comsite.jp/kawaraban/kawaraban01.php

「はじめての無料ネットショップ作りのツボ」
秀和システム ケイズプロダクション著