同社が機構の取引あっせんを利用した歴史は長い。真太郎氏が入社する前からの主力取引先であった大手機械メーカーも機構のあっせんからで、現在の取引先の約半分も、機構のあっせんから始まりました。
「機械設備にはライフサイクルがあります。一つの機種に今仕事が十分あるといって安心していると2、3年後に仕事がゼロになることがあります。だから常に新規の部品を受注し、新機種、新規顧客と取引をしていかなければなりません。また機種だけでなくお客様の状況の変化もあります。一社、一機種の仕事にしがみついていると手痛い打撃を受けることがあります。常に新規顧客と新規部品を取る、特に新規の顧客を取ることは社長である自分の仕事と考え、取り組まなければ生き残れません」。
同社は、機構が開催する商談会にも積極的に参加し成果をあげています。
「商談会は新規の取引先確保のチャンスとして欠かせません。仕事を紹介してもらえる機関なんて普通はありません。面倒を見てくれ、しかも、無料で親切に対応してくれます。知り合いや業者間ですと、ときにはトラブルが生じるという心配がありますが、機構の場合はこのような心配はありません」。
「飛び込み営業では担当者はなかなか会ってくれません。しかし、商談会を通して面談をすることで次の面談も可能になります」。
商談会で成果をあげるポイントは「こちらの方から足を運び、話をしなければいけません、連絡を待っていてはだめです」とのことでした。
「情報収集手段としても利用しています。商談会のたびに発行される参加企業名簿は情報が詰まっています」。
新規取引先の情報は当然として、既存取引先の発注情報から受注企業へのニーズの変化を捉えたり、当社が受注のチャンスがありながら逸していたことを知ることもあります。また競合メーカーの動向、設備内容を知ることで自社の強みをどう活かすか、どう対応するかの検討資料となります。特に発注内容、条件から発注ニーズ、方針の変化を知ることで早めに対応が可能となります。
同社は2004年8月ISO9000の認証取得を行いました。これも商談会での情報収集がきっかけでした。
発注企業がかかげる新規取引先の条件として、「ISO9000の認証取得をしていること」とする企業がありました。この条件をあげる企業が2社、3社と増える状況に変化の兆しを感じ取り、「時代が変わった。これからはISO9000を取得していないと仕事が取れなくなる」と考え、スタッフ一丸となって認証取得を実現しました。
「商談会の資料、面談で得る情報など、参加すれば響くものがあります。得た情報、感じた変化に反応するか否かで違ってきます。アンテナをめぐらし、お客様の状態を一生懸命みていると変化に気がつくものだと思います」。
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