確かにインバータは省エネの有効手段でエース格です。でも、条件が適合しないと反する結果に陥る。十分に検討して導入していただきたいということなのです。
インバータを導入した場合の損失の問題です。
振動や騒音等の問題もあり得ますが、損失−エネルギー−の問題に絞ります。
少なくとも次の事項を考える必要があります。
(1)インバータの波形から来る誘導電動機の高調波損失
(2)インバータ自体の損失・効率
日本電機工業会技術資料JEM‐TR 1691)によりますと、100%負荷においてJIS‐
C‐4210の特性値に対して、
(1)項により誘導電動機の効率は 96%
(1)(2)項により総合効率は 92%
としております。
平均値といっておりますから、一つの目安です。上下はあり得ます。
定格容量にもよります。
負荷をポンプかファンとしましょう。ポンプ及びファンの所要動力は回転数の3乗に比例します。ですから、これらの負荷においては回転数の低減−インバータの導入−
が推奨される訳です。
しかし、入力は所要動力をポンプ効率及び総合効率で割った値です。
使用して入力が見合わねば省エネにはなりません。
総合効率92%ですから、所要動力が92%以下になる回転数Xを計算してみましょう。
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