創業サクセスマニュアル~専門家による創業取扱い説明書~

公益財団法人あいち産業振興機構


会計と事業計画【事業計画】事業コンセプトを数字に落として事業計画を策定

創業において事業計画を考える際、経営戦略、マーケティングから事業の方向性、事業コンセプトを明確にします。そして、最終的にその事業コンセプトを数値計画に落とし込む必要があります。
創業するためにどれだけの費用がかかって、どれだけの収益があがるのかを明確にするのです。
事業計画の数値計画として明らかにするために必要な数値は全部で以下の3つあります。

 ・初期投資費用
 ・売上
 ・事業を運営するための費用

初期投資費用は、事業を開始するために「最初に」に係る費用です。事業計画を策定するために事業を開始するために必要なものをリストアップします。そして、そのリストアップしたもののそれぞれの金額を明確にします。

売上計画は、事業開始から1年後、2年後、3年後どの程度の売上をあげるかを明確にします。売上計画を考えるときには、ただ漠然と月当たり100万円売りあげると考えるのでなく、詳細まで考えます。例えば、「客単価」×「客数」、「商品単価」×「販売個数」等わけて考えます。飲食店の場合は、「席数」に対して「回転数」も考えます。売上を分解して考えなければ、自身のやりたい事業をどのように組立てるのか明確にはなりません。
また、創業して1年は月ごとに分解した数値で計画します。この際にその売上を達成するための何をすべきか(行動計画)もあわせて明確にしなければなりません。なぜなら、事業を開始したら自然に売上が達成できるわけではないからです。例えば、チラシ○枚をどこに配布するから、この客数が達成する。
目標売上を達成するためには、できるだけ「行動」に落とすことが重要です。そして、その「行動」の目標数値も明確にします。数値はあくまでも「数字」です。「数字」を達成するプロセスも含めた行動を明確に関する計画を立てることが「売上計画」なのです。

事業を運営するための費用には、売上原価と販売するための費用があります。売上原価は仕入原価あるいはその製品を製造するための費用です。そして販売するための費用には、毎月かかる家賃、人件費、広告宣伝費等があります。また、売上計画を達成するために必要な「行動計画」に係る費用もあります。


売上計画、行動計画、事業を運営するための費用は月ごとにわけて表にします。表にすることによっていつ何をすべきか、そのためにどのくらい費用がかかるか、そしてその結果、いつどのくらいの収益があがるのかが明確になります。

事業計画 事業計画

売上、事業を運営するための費用を一つの表にまとめたら再度、以下の点をチェックしましょう。

 ・売上達成のための行動にモレはないか
 ・行動が経費に反映されているか
 ・経費にモレはないか
 ・その行動で目標売上は達成するのか
 ・事業コンセプト、マーケティング戦略と数値計画は整合性がとれているか
 ・初期投資費用はどのくらいで回収できるのか
 ・収益計画の数値で事業継続は可能か。収益が出るまでの間の資金は調達できるのか

また、数値計画を立案する上で忘れてはならいないのは自身の生活費です。事業開始当初はなかなか収益がでません。その間の生活費を確保しておくことも事業継続のためには重要になります。

事業計画策定のポイントはあくまでも「行動」との整合性をとることです。数字はあくまでも数字、必ず数字を達成するための行動が伴う必要性を念頭においておきましょう。


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