創業サクセスマニュアル~専門家による創業取扱い説明書~

公益財団法人あいち産業振興機構


ビジネスモデル【ビジネスモデル】継続するビジネスに必要な仕組みづくりの考え方

はじめに

≪キーワード≫
・アントレプレナーシップ

アントレプレナーシップの定義(Definition of Entrepreneurship)”Relentless pursuit of opportunity beyond resources currently controlled”「現在、自分のコントロール下にある経営資源に制約されることなく、新しい事業の機会を執拗に追い求めること」

まずは一切の制約なく「何が世の中に求められているか」ということから発想し、理想像を真っ白なキャンパスに描ききる。それが本当に必要なものなら、ヒト、モノ、カネはあとからついてくる。

私自身が多くの創業者のビジネスプランに携わる中で、
・着眼点が鋭く実行できれば成功するだろうという魅力的な内容
・ちょっと考えが甘いのではないか、という独りよがりな内容
・単に成功しているビジネスを模倣しただけの内容
等々、様々なビジネスプランをみてきた。

これらの「違い」はどこにあるのか?

その答えは、アイデア、コンセプト、ビジネスモデルをしっかりと理解することにあると私は考える。そして、アイデアの発想は「何が世の中に求められているのか?」を中心に考えることが最も重要であると考える。

創業における課題と解決策の方向性

≪キーワード≫
・アイデアとは?
・コンセプトとは?
・ビジネスモデルとは?
・アイデアとコンセプトとビジネスモデルの関係が重要?

私たちは、普段の生活やビジネスシーンにおいて少なからず疑問や矛盾(問題)を抱えながら生きている。当該問題を解決したい、解決することが世の中のためになる等々の発想からアイデアが生まれてくることが自然な流れではないかと思う(動機ありきのアイデア)。

それとは別に、往々にして「自分に何が出来るのか?」「自分の強みは何なのか?」等々の発想からアイデアを生み出すことがある。一見すると正しいように思えるし、実現可能性も高いように思われる(強みありきのアイデア)。

創業者が陥りやすい強みありきのアイデアは、創業したがお客様がいなかったという事態を招く恐れが多分にある。独りよがりな考え・ビジネスプランがそれにあたるのだろう。

このように独りよがりな考えに陥らない為に、ビジネスプランに落とし込む前に、アイデア・コンセプト・ビジネスモデルを理解するとともに、自分自身の頭の中を整理し、明確化することが重要であると私は考える。


※アイデアとは、「問題を解決し、継続的に世の中を動かすための動力」と言える。
※コンセプトとは、「自分が実現したいことの包括的なイメージ」と言える。
※ビジネスモデルをシンプルに言うと、「誰に(顧客)、何を「約束」するか(提供価値)、なぜそれができるのか(その根拠)、という三本柱で成り立っている」と言える。

アイデアとコンセプトとビジネスモデルの関係

≪キーワード≫
・アイデア、コンセプト、ビジネスモデルの関係を理解する
・ビジネスプラン

創業はすべてアイデアからはじまり、動機ありきのアイデアが良い。しかし、アイデアだけではビジネスにはなり得ない。アイデアはコンセプトへと昇華させる必要がある。なぜなら、アイデアを持続可能なものにしなければビジネスとして成り立たないからである。

アイデアとコンセプトとビジネスモデルの関係は、
アイデア + ビジネスモデル = コンセプト
となる。

アイデアを持続可能なものとするための仕組みであるビジネスモデルを構築し、コンセプトへと昇華させる。創業者は、コンセプトに基づき、必要な経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)そして、顧客開拓のためのマーケティング戦略等々を立案し、それらをビジネスプランへと落とし込む。また、ビジネスプランを実行するに際しては、リーダーシップを発揮し、必要な人材を巻込むことが求められる。

加えて、

大きく成長する以下の3条件を満たしていればより良いとされる
①「誰もが日常的にやっていることを対象にする」
→市場が大きいこと
②「そこで多くの人が不便や面倒を感じていることを対象にする」
→市場に大きな非効率が存在すること
③「その不便さを解消する新しいソリューションが提供できること」
→技術のブレークスルー、規制緩和などの環境変化があること


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