マーケティングというと販売促進(プロモーション)が中心に考えられがちですが、実際のマーケティングはもっと早い段階から始まります。一般的なマーケティングの流れは以下の通りです。
上記の4Pとは製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)のことで、この4つに対して経営資源をどのように配分るのかを決めることです。
よく中小企業は差別化が重要といわれますが、差別化というと商品・サービスの差別化ととらえられますが、4Pの他の項目でも差別化は図ることができます。
顧客ニーズ調査とライバル調査
マーケティング戦略を立案するのに「何から手を付けていいのかわからない」という声を聞くことがあります。
市場ニーズの把握とライバル調査は、よく言われる市場調査にあたります。この時注意して頂きたいのは、ターゲットの絞り込みです。
「ターゲットを絞り込む」と言うと、絞り込んだ見込み客だけを対象とした事業と思われがちなのですが、言葉を変えると「もっとも優先度の高い顧客層を明確にする」ということです。
ですから絞り込んだ見込み客だけを相手に事業を行うわけではありません。実際絞り込んでもそれ以外の方が購入するケースは多々あります。
では、なぜターゲット顧客の絞り込みが重要なのかというと、ニーズの把握と差別化にかかわってくるからです。
誰にでも使われる商品・サービスでは特色がありませんし、これではライバルと戦うことができません。
創業して事業を行う業界にはすでにライバルが存在しています。そのライバルに打ち勝っていかなければ事業の継続が困難なのは容易に理解できると思います。
次にライバル調査ですが、漫然と調べるのではなく、調査目的を明確にしてください。創業の場合は、「ターゲット顧客のニーズにどれだけ対応しているのか」、「どこが対応していて、どこが対応しきれていないのか」、「対応しきれていない理由は何なのか」という視点で調査項目を明確にして行います。
このような考え方は、見込み客ニーズの発掘にも通用します。顧客ニーズの発見、ライバルの対応方法等を知る方法として、アンケート調査がありますが、アンケートの質問事項も何を調査目的にするのかが明確になっていないと、単なる意識調査にとどまってしまい、実際には役に立たない結果しか入手できないことになってしまいます。
事業コンセプト設計
事業コンセプト設計とは、「だれに、何を、どのように」を決めることを言います。「だれに」はターゲット顧客ですね。
「何を」となると商品・サービスと思われがちですが、これらは顧客の持つ問題解決の手法や手段を具体的にしたものです。事業コンセプトにおける「何を」は、お客様の受けるメリットをさします。
お客様が、商品を購入したりサービスを受ける理由は様々ですが、何らかの欲求(問題)を抱えており、それを解消するために購入するわけです。
例えば「高級レストランで食事をしたい」という場合、奥さんや彼女に自慢したい、感謝の気持ちをしっかりと伝えたい、普段とは違った状況を作り出して二人の関係に変化をつけたい、など非日常的な状況を作り出して二人の時間を大切にしたいという欲求があるからです。
このようなニーズを意識したうえで、次に「どのように」を考えます。
「どのように」は「独自能力」と言われますが、別の言葉では「差別化」ともいえます。この差別化を行う上で考えなければならないのが、自社(自分)の強みです。