創業サクセスマニュアル~専門家による創業取扱い説明書~

公益財団法人あいち産業振興機構


セールスプロモーション【販売促進/人的販売】販売に直接つながる手法

「販売促進/人的販売」とは、広告宣伝の手法とは違い、直接、短期に売上に繋がる手法のことを指します。例えば、対消費者向けでは、カタログやチラシ、DMや店内POPなどといったツール類から、ポイントカードや下取りセール、買い物券、商品体験、お試しキャンペーン、サンプル提供、試食会などといった仕組みなども含めて「販売促進/人的販売」策をといいます。そうなると、起業される皆さんは、すぐにでも取りかからなければならないものともいえます。
その表現に関しては、「広告宣伝」のコラムでも触れましたので参照にしていただければいいのですが、少し注意してもらいたいのは、「販売促進/人的販売」はすぐに効果を出さなければならないということです。そのためには、表現自体も、わかりやすく、お客さまにとってのメリット(金額、効能、付加サービスなど)が的確になされてなければなりません。その結果、ストレートな表現や言葉遣いが全面に出てくることも度々あります。でも、それでいいのです。ぜひ、ストレートにメリットを伝える工夫を考えましょう。
他にも「販売促進」のターゲットはあります。例えば、卸向けの活動です。自社商品のPRだけではなく、業界の流れやトレンドなどといった情報の提供ができるかどうかも重要な活動要素になってきます。具体的な例を挙げると、売れ行き情報、他店動向、市場の動き、顧客動向、トレンド情報といった情報提供から小売店経営サポート、売場づくり支援、商品説明会などいった現場活動も含まれます。
続いて、最近の販売促進の傾向手法について2つご紹介します。

①OOHという言葉を聞いたことがありますか?

OUT OF HOMEの頭文字をとったものですが、いわゆる交通広告や屋外広告など、家庭(HOME)以外の場所で展開される販促手段のことを表します。マス媒体である新聞やテレビとは違った「現場感」を訴求できる媒体として、昨今新たな注目を浴びています。媒体自身の表現方法なども規制に縛られていた頃と違って、こんなやり方もあるのかと感心させられるものも多く見かけられるようになり、ITメディアとの連動も含め、これからの展開が面白くなっていきそうな予感です。
かつては屋外広告というと、新幹線や高速道路の沿線に立っている看板広告(いわゆる野立て看板といって田畑などに立っているもの)、家の壁面に打ち付けられている看板広告などが多く見かけられましたが、今では、自社店舗への看板を凝って吸引力をつける事例も目立ってきています。ぜひ、地域で開業される小売店などを計画されている創業者の皆さんは活用してみたらいかがでしょうか?

②キャラクターをうまく使いましょう

商品やサービスが受け入れられていれば、時間が立つうちに、暗黙のうちに理解してもらえる、こんな考えは今やもう通用しません。『伝えるべきことをきちっと伝えること』が、今の消費者にとっては大事なことなのです。このことは、特に起業したての頃には大きな問題です。

お店や商品の名前を知っている人が少ない
→企業自体への信頼度が低い
→お店も商品も『怪しい』という負のスパイラル状態になりがちです。

そこで使ってみたいのが、キャラクターです。言葉では伝えきれないメッセージを、ビジュアル(イラストや写真、人)媒介にして伝えることができれば効率的な販促活動が可能になります。キャラクター自身が持つチカラ(知名度、雰囲気、イメージなど)が、企業を代表することで企業自身の代弁者になってくれます。そんなことで、最近は企業の大きさ問わずさまざまなキャラクターが世に登場し、ゆるキャラとして注目を集めています。
何が言いたいのかというと、キャラクターはその知名度や単なるデザインではなく、そのキャラクターにいかにして自社の息吹を吹き込めるかだと思います。この息吹こそ、会社の理念であったり、イメージであったりするわけです。キャラクターを作って、名刺や会社案内、看板に刷り込むことが重要なのではなく、そのキャラクターにストーリーを語ってもらうようなフィールドを作れるかということがキャラクター戦略がいかに広告として有効かにつながってきます。違った言い方をしてみると、そのストーリーの作り方こそが、各社のオリジナリティであり、お客さんに共感してもらえるポイントなのです。

以上です。「販売促進」活動は、アイディア勝負です。いろんなアプローチができる可能性のある手段ですので、起業家ならではの使い方を期待しています。


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