【特集】中小企業とIT
第1部 IT基礎講座
ITとは
IT(Information Technology)とは、情報技術と通信技術を融合した情報通信技術です。一言でいえば、インターネットを介してコンピュータ同士がつながることで実現できる技術の総称がITです。税の電子申告は、インターネットを介して、申告者のコンピュータ(パソコン、以下PC)と国税局のコンピュータとの間で申告書データをやり取りしています。電子入札、オンライン・ショッピング、インターネット・バンキングなどいずれもインターネットを経由しています。
また、携帯電話のさまざまなサービスもインターネットを利用しています。
そして、コンピュータ同士を連携させる技術がクライアント・サーバ・システムです。  
本稿では、バイトやクライアント・サーバ・システムといったITの基礎用語を初心者向けに解説します。  
バイト
ITの基礎用語の筆頭はバイトです。  
一般にデータの大きさ、記憶装置がデータを蓄える容量としてバイト(Byte、B)を使います。
1バイトは欧米言語の1文字(半角英数字)で換算したデータ量です。日本語(全角文字)は1文字が2バイトです。
ビット
データを信号としてとらえる場合、ビット(bit)を使います。ビットとは、電気信号のONとOFFの2つの状態のうち、どちらかの状態であることを表す単位です。次表のように、2つの状態にはさまざまな表現方法が考えられます。
表現方法  電灯   スイッチ   数値   判断   論理  条件
状態1 ON YES 満たす
状態2 OFF NO  満たさない 
このうち、数値(1と0)を使うことで、足し算やかけ算といった計算が可能になります。
2進数
1ビットで2通りの表現(1と0)が可能です。これが2進数です。日常生活で使う10進数は、1桁で10通りの表現(0、1〜9)が可能です。この他に16進数(0、1〜9、A〜F)があります。次表は10進数と2進数、16進数の対応表です。

バイトとビットの関係(1バイト=8ビット)
1バイトで半角英数文字を1文字表現できますが、1バイトとはビットが8個集まったものです。
1バイト=8ビット。
 8ビット(1バイト)では、28=2×2×2×2×2×2×2×2=256通りの表現方法があります。
10進数で表現すると、0,1,2,…,255です。表現できるのは256通り、最大値は255です。なぜなら数値0が1番目なので、256番目は255になります。
通信速度
通信速度では、bpsという単位を使います。1秒あたり何ビットのデータ(信号)を伝送できるかという意味です。信号をいくつ送れるかということですので、ビットを使います。
バイトに換算するなら、1バイト=8ビットなのでbpsの値を8で割ります。
接頭語  
kgやkmで使うk(キロ)は1,000倍という意味です。g(グラム)やm(メートル)などの単位の頭に来るので接頭語といいます。ITでは、日常生活と比べて極端に大きな値や小さな値を使うので、接頭語の知識が必要です。
k(kiko,キロ) 1,000倍 103
M(mega,メガ) 1,000,000倍(百万倍) 106
G(giga,ギガ) 1,000,000,000倍(十億倍) 109
T(tera,テラ) 1,000,000,000,000倍(一兆倍) 1012
参考として、P(peta,ペタ)…1015、h(hect,ヘクト)…102です。3桁増えるごとに、k(キロ)→M(メガ)→G(ギガ)→T(テラ)となります。  
512MBメモリなどとカタログに掲載されますが、5億1千2百万バイトという意味です。日本語換算で2億5千6百万文字分です。    
一方、1mmや1mgなど、m(ミリ)は1000分の1(1/1000)を表します。   
m(milli,ミリ) 1,000分の1倍 10-3
µ(micro,マイクロ) 1,000,000分の1倍(百万分の1倍) 10-6
n(nano,ナノ) 1,000,000,000分の1倍(十億分の1倍) 10-9
p(pico,ピコ) 1,000,000,000,000分の1倍(一兆分の1倍) 10-12
参考として、f(femto,フェムト)…10-15、d(deci,デシ)…10-1で、c(centi,センチ)…10-2です。3桁減るごとに、m(ミリ)→μ(マイクロ)→n(ナノ)→p(ピコ)となります。 
例えば、データを保存する記憶能力(記憶容量)ではT(テラ)、コンピュータが計算を1回する時間(演算時間)ではn(ナノ)を使います。  
画像の基礎 
画像は、点の集まりで表現できます。電光掲示板では、一つの点に相当する電灯を点灯(1)したり、消灯(0)したりします。この場合、一つの点は1ビットで表現できます。  
黒、黒に近いグレー、…、白に近いグレー、白といった具合に256階調の明暗を使えば白黒写真のような画像を得られます。明るさが256階調あると、1階調明るい・暗い、の識別は人間の目ではほとんどできないので、連続的な(自然な)明るさの変化に見えるからです。 
256階調は、1つの点に8ビット(28=256)を使って表現できます。 
色の基礎
ガラー画像の色情報は「光の三原色」に分解します。R(red、赤)、G(green、緑)、B(blue、青)なのでRGBといいます。一つの色に256階調、すなわち8ビット与えるなら、一つの点に24ビット(8ビット×3色)使います。 
一つの点に24ビット使えば、人の目には自然な色の変化に見えるので、「フルカラー」「天然色」といいます。また24ビット色(24bit color)、約1,700万色(≒224)という表記もあります。    
一つの点に24ビット使うということは、24ビット=3バイトなので、英数半角文字3文字分に相当する情報量がカラー画像の一つの点に使われることになります。      
一方、印刷する場合は、「色の三原色」C(cyan、青、実際は藍)、M(magenta、赤、実際は紅)、Y(yellow、黄)にK(black、黒)を加えたCMYKの4色の色材を使います。     
壁紙画像データの大きさ
壁紙とは、モニタ画面に表示される背景画像です。標準的な壁紙の点の数は、1024ピクセル×768ピクセル=786,432ピクセルです。ピクセル(pixel)とはカラーモニタのようにRGBの三色の点(3個の点)を一括りとした呼び方で、日本語で画素といいます。フルカラーなら1ピクセルは24ビット=3バイト使います。
ところで、メガピクセルという用語がありますが、100万ピクセルという意味です。
1024×768の壁紙のデータの大きさは、786,432×3=2,359,296バイト、約2MB(メガバイト)です。
印刷の基礎
市販されているプリンタは、点の集合で文字や画像を表現します。一定の長さにより多くの点を印刷するほど、きめ細かい印刷ができます。このきめ細かさの単位がdpiです。dpiとはドット・パー・インチ、すなわち、1インチ(2.54cm)に印刷できる点(ドット)の数という意味です。
600dpiのカラーレーザープリンタで、先ほどの1024×768の壁紙画像データを印刷すると、
画像の寸法は、
    (1024÷600)=1.71インチ(約4.3cm)
    (768÷600)=1.28インチ(約3.3cm) です。
クライアント・サーバ・システム
クライアント・サーバ・システムとは、クライアントおよびサーバとよばれる複数のコンピュータが連携して利用者にサービスを提供するコンピュータ・システムのことです。
ちなみに、英語の辞書では、クライアントは依頼人、サーバは給仕人(サービス提供者)です。
利用者が使うコンピュータ(PC)はクライアント、ユーザが直接使うことのないコンピュータはサーバです。

 

インターネットで見るクライアント・サーバ・システムの働き
利用者のPCはクライアント、インターネットのサービスを提供する事業者(ISP)のコンピュータはサーバです。
例えば、利用者があるホームページを見たいという要求はクライアント(PC)を通じてサーバへ送り、サーバは要求されたホームページのデータをクライアント(PC)へ送ります。

サーバ
サーバ・コンピュータにはサーバOSが導入されています。したがって、市販のPCにサーバOSを導入すればサーバとして使用することが可能です。
ところで、「サーバ」という用語は、場面によって指している対象が違うことがあります。
(1) コンピュータを指している場合
(2) OSを指している場合
(3) ソフトウェアを指している場合(提供するサービスの種類)
ホームページのサービスを提供するWebサーバ、電子メールのサービスを提供するメール・サーバ、データベースのサービスを提供するDBサーバなどは、サービスを提供するソフトウェアですが、大企業ではこれらを複数のコンピュータに分散します。小規模企業では1台のコンピュータに集中させることがあります。
「このコンピュータはDBサーバです」「このコンピュータにはWebサーバとメール・サーバ、DBサーバが入っています」という会話のサーバは、ソフトウェアすなわち提供するサービスの種類を指しています。なお、専門家は「このコンピュータ」といわず、コンピュータを指して「このサーバは」といいますので、何を対象にしているのか注意する必要があります。
有限会社ニルバーナ
 代表  細川和好
 
ITとは、情報技術と通信技術を融合した情報通信技術です。一言でいえば、インターネットを介してコンピュータ同士がつながることで実現できる技術の総称がITです。本稿では、バイトやクライアント・サーバ・システムといったITの基礎用語を初心者向けに解説します。  
 
PROFILE
細川和好 (ほそかわ かずよし)

1962年愛知県西尾市生れ。

有限会社ニルバーナ 代表。
NS経営元気塾 主催
中小企業診断士(中小企業診断協会愛知県支部所属)
 

豊橋技術科学大学大学院修了。
三菱自動車工業株式会社等勤務を経て現職。

コンサルティング分野は経営とI T。

グリーンシートが現在の関心事

URL http://www.nirvana.co.jp/

e-mailは、上記Webサイトのフォーム(お問い合わせ)から