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2006.04月号 No.48 通巻249 04月03日発行
株式会社オプコ
代表取締役専務 高橋 良明
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【翔 魅力ある愛知の中小企業(60)】
ブロー成形技術を磨き、 三次元多層ブロー成形のトップランナーへ
他社で成形できなかった部品
その日、尾崎プラスティック工業株式会社(現株式会社オプコ)では、深刻な打ち合わせが行われていた。訪問者は自動車部品メーカーの開発担当。「試作段階の車に組み込まれる部品の試作を他社でしてもらっていましたが、どうやっても思うとおりの形状の部品ができないのです。試作期限が迫っており今さら形状をかえることは不可能です。御社でなんとかならないでしょうか」。同社が難形状のプラスチックブロー成形をする技術があるとの評判を聞きつけ、金型を持ち込みでやってきた。「なんとかやってみましょう」。
同社の技術・ノウハウでなんとかこの部品を納期内に完成させ、さらに、ブロー成形で量産するためにどうすればいいかという部品形状の改善提案を行った。
このことをきっかけに大手部品メーカーの信頼を勝ち取ることになる。
生き残りのためブロー成形技術を磨く
株式会社オプコ(当時は「尾崎プラスティック工業所」)は昭和36年先代社長の尾崎仙三氏がプラスチック成形を行う企業として設立した。創業前、仙三氏は繊維関連の商店で働きながら夜学で勉強していたが、恩師の「これからはプラスチックの時代だ」という言葉を覚えていた。
創業時は自宅の庭に設備を置いて、主に寿司や弁当の一人用の醤油容器をブロー成形していた。すべりだしは順調で、すぐに2台、3台と設備を増設、さらには射出成形などブロー成形以外の成形技術へも広げ、日用雑貨のプラスチック製品の成形を中心に拡大していった。
しかしその後、ライバル企業も増え「他社ではできないような形状や加工をしていかなければ生き残っていけない」と考えるようになり、ブロー成形に特化して技術を磨いていくことを決意する。
難形状ならオプコへ
自動車部品の製造を開始したのもこの後である。
ブロー成形に特化し技術の蓄積を行ってきた結果、大手自動車部品メーカーからの難しい形状のオーダーにも応えることができ、いつしか「形状が難しいものは尾崎プラスティック工業へ」と難形状の発注を受けるようになっていた。しばらくは小ロットもの中心であったが、冒頭の「出来事」をきっかけに、大ロットの受注を受けるようになった。
現在では、受注の90%が自動車関連部品で、エンジン周り部品や吸気パイプ・ウォッシャータンクなどの部品、設計段階から自動車メーカーへ直接技術者を送り込んで、複雑な形状が要求される設計においても、成形の可否を検討しながら進めている。
三次元多層ブロー成形へ技術を高める
同社の技術は、三次元多層ブロー成形による自動車部品では国内でもトップレベルのメーカーとしても知られている。

左上:ホースエアークリーナ  右下:コネクタインテークエア

ブロー成形とは、溶かされた樹脂をダイと呼ばれる押し出し口より筒状に押し出し(溶けた筒状の樹脂をパリソンという)、その上下を金型で挟み込んで袋状にしたところへ、針状の吹き込み口を差し込んで、エアを一気に送り込み成形する方法である。膨らまされた袋状の樹脂は金型の内面に押し付けられ、金型内面の形状に沿って固まる。金型を開いて取り出すと、袋状にして金型に挟み込んだ時の「のりしろ」の部分が残っている(バリという)ので、これを削り取って最終製品となる。
「のりしろ」のバリが生じるため、歩留まりの悪さ、バリ取り工程が必要となる、というブロー成形の欠点を補うために開発されたのが、三次元ブロー成形という成形法である。
通常のブロー成形が袋状にしたパリソンを金型ではさむのに対し、押し出し口であるダイを動かし、パリソンを金型の内側に乗せ、ブロー成形する方法である。この方法では「のりしろ」部分が発生せず、またL字、J字、S字等の複雑な形状の成形も可能になり、主にパイプやホースなどの成形に使われる。
この技術に、材料を多層にしてパリソンを作り、成形する方法が三次元多層ブロー成形である。この成形法を使うと、剛性が求められる部品と、柔軟性を求められる部品とを一体成形することが可能となる。
硬質材と軟質材とを2層で押し出しパリソンを作る。その際、剛性が求められる部位には硬質材の割合を多く、柔軟性が求められる部位には軟質材の割合を多く出すことにより、一体成形が可能となる。

三次元多層ブロー成形

実は、三次元多層ブロー成形機の第一号機を導入したのは同社である。設備を導入さえすれば明日から量産できるかといえばそうでもなく、量産化技術確立のパイオニアとして、経済産業省(当時の通商産業省)の補助事業認定を受け技術の確立を進め、現在もトップランナーとして走り続けている。
技術力の維持向上と人材育成
技術の源泉である人材育成にも余念がない。
ブロー成形は実は非常に微妙な感覚が要求される成形法である。
例えば、自重でパリソンが引き伸ばされてしまう「ドローダウン」という現象がある。パリソンは水あめのようにダイから円筒状に押し出されてくるが、同じ厚さに押し出しても、最初に押し出された部分と最後に押し出された部分では、それ自身の重さにより引き伸ばされることにより、肉厚が変わってしまう。そのため、ドローダウンを見越してダイから出る肉厚を予め調整する方法や、材料・成形温度やタイミング等を調整する方法等により均等な肉厚を実現している。また、パリソンは一旦外気に触れるため、その日の温度・湿度等によっても微調整のサジ加減が異なる。こうした微調整は、職人仕事で時間をかけて覚えることになるが、その基礎を理論からしっかり習得するために、同社では「プラスチック成形(ブロー成形作業)技能検定」を取得することを奨励、すでに10人余りの社員が取得している。
この他、ISO9001、14001の取得、プロジェクトチームによる知財戦略などレベルアップには余念がない。
「今後も、樹脂中空体の成形分野での地位を高めて行きたいと考えています。他社にはない技術を蓄積して、これからもお客さんに喜んでもらうことが目標です。一歩一歩無理せず着実に成長していきたいと考えています」。
 
問合せ先
株式会社オプコ
〒462-0056 名古屋市北区中丸町2-35
TEL 052-991-4551
FAX 052-915-3511
http://www.opuco.co.jp/
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