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専門家派遣事例


空調設備工事業の脱下請から空調設備会員制保守サービスとFC展開

1. 専門家名 長谷川 輝和
2. 企業名 (株)ナカテック コーポレーション
3. 所在地 愛知県名古屋市
4. 事業内容 家庭用空調設備施工  業務用空調設備会員制保守サービス・販売
5. 創業年月 1990年
6. 従業員数 15人
7. 資本金 1,000万円(2001年12月)
8. 年商 3億4800万円(2001年8月)

9. 支援内容の構成
ア.企業概要
(1)企業の沿革
1990年: 空調設備施工会社に勤務していた現経営者が脱サラ、独立して個人で空調設備施工事業を創業
1997年: 個人事業を有限会社に組織変更
1998年: 事業所所在地を拡張移転
2000年: 有限会社を株式会社に組織変更すると同時に、事業所在地を名古屋市に移転し社名も変更する。

(2)事業内容

1.空調設備全体
  次のように空調設備全体にわたっての事業展開をしている。
空調設備の販売、施工、保守サービス
空調設備故障に備えた空調設備損害保険
空調設備を含めた全体的省エネ提案
  又企画段階としては次のような事業を検討中である。
中古空調機の再利用、部品販売企画段階
フロン回収
2.家庭用空調設備施工
家庭用空調設備工事は引越し業者、家電量販店、住宅メーカーなど主として大手企業からの受注が主体で代金回収が安定しているが、下請業態のため受身の商売である。
空調設備業界は繁忙期と閑散期の極端な仕事量の差が激しく、人的依存の要素も高いが、正社員を極力絞込み、正社員、契約社員、外注の3種類の雇用形態をとって、人件費率の高騰を押さえている。
受注先が多岐にわたるため発注時期のピークが少しづつ異なり、仕事量が他社に比べれば比較的平準化している。
さらに受注先の企業は全国展開しており当社の体制さえ整えば、これら企業の出店地への事業展開は容易であり、将来へ向けての展開が構築しやすい。
下請の施工工事といえども、サービス業である限りは施主との良好な人間関係を維持することが将来的に当社の受注量に大いに関係してくるので、正社員は勿論、契約社員、外注まで含めてマナー教育を実施している。
3.業務用空調設備
会員制による24時間、保守、故障時緊急対応サービス「エアコンクラブ」を運営している。特に飲食店など業務店会員については修理完了までの代替機貸与制度を導入して、サービス業における突然のエアコントラブルによる顧客サービス低下への不安解消に対応している。
会員には空調設備購入の場合の空調設備割引サービスをしている。
全体的省エネアドバイスへの取組みを試行中である。
空調設備のみならず全体的視点から、自家発電・コジェネシステムなどを活用した根本的省エネ対策をアドバイスし、希望があれば機械メーカー、施工業者を紹介している。

イ.経営課題
1. 当社は急激に発展したことや、社歴が浅く、経営者、社員の年齢も若く、経営経験に乏しいため、社内の管理体制が未整備のままである。またそれを管理する人材も不足していること。
特に経営者の片腕となる人材が全く不在であること。
2. 今後の発展のためにフランチャイズシステムや代理システムの導入を考えているが、社内の管理体制さえ未整備の状態であり、これらの面でも専門知識を有する人材不足であること。
そうした人材を社内で養成するノウハウもなく、資金も不足していること。
3. 経営者の事業意欲は旺盛であるが、単発的で、総合性がなく、企業の進もうとしている将来的姿が不明確であること。
4. 施工行工事の人件費圧縮には対応しているが、社内の事務処理体制の効率が悪いこと。
また、施工工事の人件費圧縮方策はある程度実施されているが、徹底が不十分であること。
5. 家庭用空調設備取付受注先の全国展開に対応した、営業所の早期整備を図ること。

ウ.派遣理由
今まで、経営者の企画力、販売力依存で勢いに乗って伸びてきたが、将来的展望をまとめる必要性や、社内体制を整えて更なる発展の基礎固めをする時期にきていることに気づいた経営者から相談があり、「専門家派遣事業」を紹介したところ派遣の申込となった。

エ.具体的アドバイス
1. 経営革新法の認定
経営者の将来構想をまとめ、併せて企業の信頼性を高めるために「経営革新法」認定企業の取得をアドバイスする。その後、3年事業構想作成を指導、それをベースに経営革新法を申請し、2001年3月に経営革新法の認定企業となる。
2. 会社形態と本社の移転
経営者には将来的に事業を全国展開しての株式上場意欲があった。
しかし、指導当時は有限会社で、本社は東海市であった。本社が東海市では企業としての信頼性が薄くなりかねないし、有限会社では上場ができないののみならず、全国展開を目指す企業としては信頼性に大いに欠ける面がある。
中小企業として甘んじるならともかく株式上場を目指すなら、小回りが効きやすい今の内に対策すべきであると助言したところ、1年後には株式会社に形態変更し、本社所在地は名古屋市に移転している。
3. 脱下請けのための新規事業基盤の確立
  1. 空調設備保守サービスのFC展開
    従来、当社が直接販売している会員制エアコンメンテナンスシステム「エアコンクラブ」にFCシステムを導入すべく、その素案とテスト計画案作成を指導する。
  2. FCシステムに対応して販売組織の整備と地区販売拠点の整備、及びそれに対応する社内組織の整備と社内業務の流れの整備、改善の方向性を以下の概要に沿って助言する。
    • 直販・代理店区分基準
      大都市は直販、その周辺に代理店を配置する。その他、施行専門の代理店開拓も必要
    • 代理店募集計画
      電気工事店を主体にDMし、新聞の3行広告を活用する。
      但し、その前に代理店資格、代理店契約を明確にしておく。
    • 販売拡大に対応した効率的事務処理体制の整備
      職務分析をして、アウトソーシングできる仕事、パソコン化できる仕事、目的が明確でない仕事を区分する。
    • 人員採用計画
      施工要員は若い世代を採用して、施工技術を教え、将来的に契約社員化する。
      営業については中高年を歩合制にて活用する。

オ.支援の効果
1. 新規事業開拓
脱下請を目的とした業務用空調設備の会員制保守サービスは順調に業績を伸 ばして、売上規模では家庭用空調設備施工売上の上回るようになった。
業務用空調設備の中には施工代金だけではなく会員の空調等設備入れ替え伴 う新設空調機の売上が加算されているので単純な比較は出来ないが、単なる下請企業からの脱皮する基礎固めは出来たようである。
2001年8月の会員は800社を超えてさらに増加基調にあり、新規事業開拓は 成功しつつあるといえる。
2. 経営改善
施工工事については正社員を増やすことなく契約社員、外注を利用して大手企業の求める即納体制に対応しながら、繁閑の仕事量変動を吸収する体制ができつつある。
販売については代理店システム、FCシステムを進めつつあるが、まだ骨格の段階で、今後、実験を重ねての改善が必要であろう。業務処理体制については指導時間不足で、改善の方向性を示すに留まったが 経営者以下社員はその方向に賛同しており、今後の社内努力に期待したい。
3年事業計画を作成して将来的な事業経営に対する経営者の考え方の整理は出来たが、社員との共有が今後の課題である。
3. 今後の課題
正社員1人当りの売上は183%、経常利益は435%とこの1年間で大幅に伸びているが、経常利益率から見ると物足りない面があるが。
この1年は会社形態変更、会社所在地変更、将来へ向けてのテストマーケテイングなど出費がかさんで、やむを得ない面もあるが、経常利益率改善は今後の大きな課題である。

カ、経営者の1口コメント(派遣を受けた感想)
弊社のようなまだ未熟な会社では資金的に余裕がない為正規の値段で経営コンサルタントに相談ができず、今回の派遣は本当に助かりました。
最初に相談した時は今思えば事業計画にまとまりがなく困っていましたが、相談を重ねいろいろと重ね助言をいただいている内に事業構想が固まっていき現在の事業構想ができたとおもいます。

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