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専門家派遣事例


プリント基板製造装置における非接触型電子基板エッチングの技術開発による
電子回路基板の配線密度の大幅向上

1. 専門家名 山田 正俊
2. 企業名 (株)シーズ
3. 所在地 名古屋市中区栄2丁目9番26号
4. 業務内容 精密機器製造販売
5. 創業年月 平成7年4月
6. 従業員数 15名
7. 資本金 3,000万円
8. 年商 10億円(2000年度)

9. 支援内容の構成
ア.企業概要
ファブレス企業として活動を続け、プリント基板製造装置の企画・開発に取り組み、随時、新型装置の開発や既存装置の改良、客先に合った装置構成の提案等を行っている。

イ 経営課題
 画期的な新装置として、非接触型電子基板エッチング装置の開発を進 めている。この装置が完成すれば、電子回路基板の配線密度に置いて従 来のものに比べ大幅な技術進歩が得られ、当社の主力製品の製造、販売 高向上に貢献すると共に、世の中の各種情報機器のさらなる発展に寄与 できる。

ウ 派遣理由(派遣要請の動機)
 非接触型エッチング装置の開発を進めるなかで、流体の動きを論理的 に解析し、理論に基づいた装置の改良・開発の考え方について専門家の 指導を受ける。

エ 具体的アドバイス
  1. 1次試作機の稼動状況(ビデオ映像)およびエッチング状況を観察するための模擬実験装置による実験結果について分析し、エッチング装置におけるエッチング液の流れの問題点を明らかにした。
  2. 本装置の特徴であるポーラス板を用いたエッチング法において、ポーラス板上の液圧力分布を推定し、エチング液流れの観点からエッチングを均一に行うためには、
    • ポーラス板上に液溜め部分(流れがない状態)が生じないようにすることが重要であること
    • ポーラス板全体に同一の圧力分布を発生させるために、上流側の流れの乱れによる不均一な圧力分布が生じないように管路系を設計する必要があること
    • そのために、上流側に圧力制御弁を用いると良いことなどを提言した。
  3. ポーラス板の圧力分布および流量に対する基板とポーラス板との隙間の影響を模擬実験により調べるための実験条件を示し、その実験結果から基板上の出口流速を算出して、エッチングに効果的な流速を明らかにした。その流速を与えるための基板とポーラス板の隙間およびポーラス板の気孔率について助言した。
    以上の解析結果をもとに、流れに関する設計のポイントを提示した。
  4. エッチング装置に基板を送入する際に、基板搬送速度および基板上下面の圧力差がエッチング効果に影響することを説明した。また、基板の傾きを防ぐ方法についても討議し、助言した。
  5. 2次試作機の設計に対し、計算した結果をもとに、
    • エッチング液供給側の配管の取り回しと管内流速を考慮した諸元
    • ポーラス板通過流量とポーラス板周囲の流路諸元
    • 基板搬入口からの漏れ流量
    • ディッピング液面高さが流量に及ぼす影響
      について、提言した。
  6. また、キャビテーション現象の基礎知識とキャビテーション生成法について解説し、基板をエッチングした後、キャビテーションを用いて従来よりも効率よく基板上のレジストを除去する方法を討議した。現段階では、直接キャビテーションを利用するには技術的にギャップがあり、すぐには適用が困難であることを助言した。 基板素材の洗浄法にキャビテーションを利用する方法も考えられることから、別の機会に再度討議することにした。

    以上の助言に基づき、2次試作機の設計が開始された。


オ 支援の効果
 助言内容を取り入れた2次試作機の設計・試作を行い、試作機が完成した。現在、性能の確認実験を進めている。文末に2次試作機の写真を示す。
2次試作機は、展示会に出展の予定でいる。
本装置が製品化できれば、経営的に大きな効果をもたらすことが期待でき、株式公開に向けても弾みがつくと考えられる。

カ 経営者の一口コメント(派遣を受けた感想)
 親切丁寧にご教示頂き躊躇していた部分に明かりが差し、自信を持って取り組めるようにもなりました。早速設計に取り込み2次試作機が完成しました。有難うございました。
尚、必ずや成功させたく思って邁進しておりますので、引き続きご指導頂きたいと考えています。

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