IT管理者お助けマニュアル

【バックアップ】

4.1 バックアップとは

システム・ネットワークの障害発生や、ヒューマンエラー、災害などのトラブルが原因によるデータの損失に備えて、データを複製しておくことを指します。業務で使用する書類・帳票・図面などをはじめ、皆さんが利用するデータのバックアップをしておかないと、会社の事業継続が困難となるような結果になりかねません。

想定外のトラブルによるデータ損失に備えておく手段が、バックアップです。

●バックアップの必要性

データが損失する原因は、次のような場合が考えられます。

  • 利用中のソフトウェアのエラー
  • 経年劣化や不具合などによるハードウェアの故障
  • 停電、地震、火災、水害などによる電源供給停止
  • コンピューターウイルス感染
  • 落下などの衝撃による物理的破損

これらは往々にして想定外に起こるものです。

細心の注意をすれば防ぐことはできるかもしれませんが、決して万全とは言い切れません。

そして、もしデータ損失やシステム停止が起こり、その際にバックアップをしていなかったとしたら、企業として次のような損失が起こり得ます。

  • 業務上の重要書類が消失し、営業活動が停止
    →企業運営が停滞、競争力が低下
  • 顧客情報などの重要データ損失による社会的信頼の失墜
    →コンプライアンス違反(裁判に発展する可能性も)

だからこそ、突然のトラブルに備えたバックアップをすることでデータの損失を防ぐのです。加えて、システム自体のバックアップをすることで、次のようなメリットももたらします。

  • OSのバージョン更新などによる障害発生時の切り戻しが可能
  • システムやファイル内容の変更による障害発生時の切り戻しが可能
  • 誤作動や操作ミスによるファイル消失対策

このように、データの損失に備えられるだけでなく、変更内容の切り戻しに対応ができることからも、バックアップは必要なのです。

●バックアップが必要なデータとは

基本的に「消失すると取り戻せないデータ」が対象です。