IT管理者お助けマニュアル

【バックアップ】

4.2 バックアップメディア

バックアップデータの保存先として代表的なものは、

  • USBメモリ
  • 光ディスク(CD/DVD/Blu-ray Disc)
  • 外付けHDD/SSD
  • NAS(Network Attached Storage)
  • テープストレージ
  • クラウドストレージ

などが挙げられます。

利点 欠点
USB
メモリ
  • 安価で小型・軽量なため使い勝手が良い。
  • USBポートが付いていれば利用できるため、ほとんどのコンピューターにおいて使用可能。
  • 小型のため紛失・盗難のリスクが高い。
  • 構造上、破損に注意が必要。
  • コンピューターのデータをまとめてバックアップする場合には容量が足りない。
    (大容量用のものもあるが、割高である)

ディスク
  • 数年単位でのデータ保存に適する。
  • 入手が容易なうえ、ほとんどすべてのデスクトップパソコンで使える。
  • データ書き込みに時間がかかる。
  • 直射日光や照明の光、湿気、傷、圧力などに弱く、保管と取り扱いには注意が必要。
外付け
HDD
  • 大型HDDは例えば自宅で用いる場合、コンピューター故障時にまとめて復旧できるようなバックアップをとるのに適する。
  • 持ち運び用の小型HDDもある。
  • 熱や衝撃に弱い。
  • 外付けのため衝撃が加わりやすく、取り扱いを慎重に行う必要がある。
外付け
SSD
  • 形状の大きなUSBメモリに似たメディア。
  • 自動バックアップに適する。
  • データ処理能力はUSBメモリより高く、HDDよりも衝撃に強い。
  • 他のメディアと比べて割高である。
  • 10年を超えるデータ保存は消失の恐れもある。
NAS
  • LAN上に接続できるハードディスクのため導入コストが安価で、ファイルサーバーと同等の機能を持つ。
  • 複数のコンピューターから同時に接続することが可能。
  • 既存のLANによる影響を受けることから、LANの負荷が大きくなると速度低下が起こる。
  • 導入時に設定が必要であり、特に企業規模が大きい場合は設定に手間がかかる。
テープ
ストレージ
  • 保管に電力を必要としないため、ランニングコストが安価なメディア。
  • オフライン保管のため、停電やハッキングなどによるデータ損失のリスクが低い。
  • 30年以上も性能を維持でき、長期保管に適する。
  • 今後もデータ保存容量の増加が期待されている。
  • データの取り出しに時間がかかる。
  • データ処理時に使用するテープとドライブの規格に新旧の差があると使用できない。
クラウド
ストレージ
  • 従量制課金で、簡単に容量を増やすことができる。
  • 物理サーバーの管理が不要。
  • ネットワーク環境下でなければ利用できない。
  • インターネット上のサービス(外部)にデータを保存するため、自社ですべて管理することは不可能。