IT管理者お助けマニュアル

【バックアップ】

4.3 バックアップ以外にすべき故障対策

ストレージドライブ(HDD/SSD)はデータの書き込みや読み込みによって劣化しやすく、壊れやすい部品です。データが損失し、システムが停止すればサービスだけでなく、売り上げや信頼の損失にもつながりかねません。

●RAID

そこで、RAID(レイド=Redundant Arrays of Inexpensive Disks)という技術によって、複数のストレージドライブにデータのコピーを分散して配置することで、ドライブの故障によるデータ消失を防ぐことができます。RAIDにはいくつかの種類があり、用途に応じて使い分けることで、速度や信頼性を得る事ができます。

代表的なRAIDの種類については、下記サイトをご覧ください。
関連ページ https://www.networld.co.jp/sp/learn_first/storage/p17_21.html

RAIDの構築には注意点もあります。まず、構築に使用するストレージドライブはすべて同一の容量のものに揃えましょう。容量の異なるストレージドライブを使用すると、各ドライブの使用可能容量が最小のものに揃ってしまい、無駄が生じてしまいます。また、ストレージドライブを複数台使用して構築するため、物理的な故障のリスクや、データの読み書き時に起こるエラーの発生率が使用台数に比例して高くなることにも気をつけましょう。

●レプリケーション

ストレージ内のデータを予備のストレージにコピーし、社内ネットワークを通して更新をリアルタイムで反映させることで内容を同期(保存)する機能です。

詳しくは下記のページをご参照ください。
関連ページ https://www.aibsc.jp/joho/security/taisaku/19.html

●スナップショット

作業の経過途中におけるその時点のデータを、写真撮影のように素早くかつそのままの状態で保存する機能で、必要な容量は元のデータの1~2割程度で済みます。

あくまでも、ある時点におけるデータがストレージ内に保存されているに過ぎないため、もしディスクが故障してしまえばデータを復旧させることはできません。

そのため、スナップショットは短期間におけるデータの一時保存のための手段として有効に活用される機能ですが、障害対策としてのバックアップにはなりません。