繊維製品の吸水性の評価は、日本工業規格(JIS)のJIS L 1907で規定されており、吸水速度として@滴下法やAバイレック法などで評価されています。滴下法は、毛のように油分を含んだはっ水性のある繊維製品以外に適用され、試験片に水などを一滴滴下し、その水滴が広がるまでの時間により吸水性を評価する方法です。また、バイレック法は、主に高吸水性以外の繊維製品に適用され、短冊状の試験片の下端を水に10分間浸漬し、毛細管現象により水が上昇した高さにより吸水性を評価する方法です。
■通気性
繊維製品の通気性の評価は、JIS L 1096で規定されており、フラジール形法(A法)などで評価されています。フラジール形法は、フラジール形試験機を使用し、円筒の一端に試験片を取り付け一定の圧力を示すように吸込みファンを調整し、試験片を通過する空気量により通気性を評価する方法です。
■透湿性
繊維製品の透湿性の評価は、JIS L 1099で規定されており、塩化カルシウム法(A−1法)などで評価されています。塩化カルシウム法は、吸湿剤(塩化カルシウム)を入れた透湿カップの上に試験片を取り付け、まず40℃、90%RHの恒温・恒湿装置内に1時間入れたカップの質量を測定し、その後再び恒温・恒湿装置内に1時間入れた質量を測定し、その質量変化量により透湿性を評価する方法です。
■保温性
繊維製品の保温性の評価は、JIS L 1096で規定されており、恒温法(A法)などで評価されています。恒温法は保温性試験機を使用し、恒温発熱体の上に試験片を取り付け、試験片を透過して一定時間に放散される熱損失と試験片を取り付けない状態で一定時間に放散される熱損失により保温性を評価する方法です。