米国や欧州の航空機メーカーで開発が進められている次期旅客機では、機体の約50%に炭素繊維複合材料が使用されています。炭素繊維複合材料は、1970年代前半には、釣り竿、ゴルフシャフトなどのスポーツ・レジャー分野で既に使用されていましたが、1990年代後半に入ると、ノートパソコンやデジタルカメラなどの筐体といった一般産業分野にも広く用いられるようになってきました。炭素繊維複合材料には、"軽くて、強い。"といった特徴があり、特に、自動車分野においては、次世代自動車の開発に向けた"軽量化"への取り組みともあいまって、本格的に採用を検討する動きが進んでいます。ここでは、利用分野を急速に拡大しつつある炭素繊維とその複合材料について解説します。
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