ポリエステル織物にSAM形成した試料について、摩擦と洗濯の耐久性試験を行い、試験後のはっ水性の評価として水滴接触角を測定しました(図6)。摩擦試験は、同じポリエステル織物を摩擦子として用い、最大1000回往復を行いました。また洗濯試験は、「5分洗濯して脱水後すすぎ洗いと脱水を2回繰り返し、日かげつり干し」を1回の洗濯工程として最大10回行いました。その結果、摩擦試験、洗濯試験どちらとも回数とともに少しずつ水滴接触角は下がってはいるものの、ほぼはっ水性を維持し、SAM形成加工によるはっ水織物は比較的耐久性の高いことがわかりました。また少しずつ水滴接触角が下がりはっ水性を失う原因として、試験前後で織物に付着しているSAM の形成量を評価しても全く変わらなかったことから、SAMは脱落したのではなく、SAM形成加工では表面上の繊維のみにSAM形成しているため、耐久性試験時に繊維が動いてSAM形成されていない部分が表面に露出したと考えられます(図7)。 |