1. はじめに
アルミニウムは、比強度が高く耐食性に優れるなどの特性を有することから、生活用品、自動車、船舶、航空機の構造用部材や熱交換器用の多穴管等として広く使われています。市場に流通しているアルミニウムの展伸材料は、ダイスと呼ばれる金型を用い、押出や圧延などの熱間加工、または熱間加工に引き続いて冷間加工を施して生産されています。既存のダイスの材質は、アルミニウムとの親和性がある材料であるため、アルミニウムがダイス表面に付着し、押出時に付着したアルミニウムによって製品に傷がつくことや、ダイス表面についたアルミニウムを除去する作業が煩雑であることから、アルミニウムが付着しにくいダイスの開発が求められていました。
あいち産業科学技術総合センター瀬戸窯業技術センターでは炭窒化チタン(TiCN)に注目し、企業と共同で新規アルミニウム押出ダイスの開発を行いました。
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