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レーザー回折・散乱法による粒度分析について
常滑窯業技術センター 三河窯業試験場

記事更新日.16.11

あいち産業科学技術総合センター 
■問合せ先
〒447-0861 碧南市六軒町2丁目15番地
TEL:0566-41-0410  FAX:0566-43-2021
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1. はじめに

三河窯業試験場は三州瓦産地にある試験場であり、粘土瓦に関する評価試験業務を行っていますが、その一つに瓦用配合粘土の粒度分析があります。

当試験場では、近年、レーザー回折・散乱式の粒度分析装置(図1)を導入し、瓦用配合粘土などの粒度分析に使用しています。そこで今回は、当手法による粒度分析の紹介をします。


2. レーザー回折・散乱法の特徴

粒度分析の代表的な試験法として、ふるい分け法があります。ふるい分け法はふるい目の異なる標準ふるいを用い、目の粗いふるいから順に試料を通し、各ふるい上に残った試料の質量を測定することで粒度分布を求めます。ふるい分けの操作は手間と時間がかかるほか、数十μm以下の細かい粒子ではふるい目が目詰まりしやすく測定が困難です。また、使用する標準ふるいの数が測定データ数と関係することから、一般に測定データ数は少なく、粒度分布曲線は粗くなります。さらに、試料量は通常数百g以上必要です。

一方、レーザー回折・散乱法の測定原理は、水などの溶媒に分散させた試料粒子にレーザー光を照射して散乱光を発生させ、これを収束させて得られる回折像を利用して粒子径を求めます。複数の光学原理を組み合わせた高度な演算処理を行い、粒度分布を求めます。レーザー回折・散乱法による測定は簡便で、0.1g程度の試料を試料循環器(図1)に投入することで、数分程度で測定結果が得られます。一般に測定データ数はふるい分け法に比べて多く、詳細な粒度分布曲線が得られます。

当装置では粗大な粒子やナノレベルの微細な粒子は測定できません。測定可能な範囲は粒子径0.02μm〜2mmです。粗大な粒子はふるい分け法が、微細な粒子は動的光散乱法などが適しています。

また、当装置では乾式測定はできません。原則として水を溶媒とした湿式測定になりますので、水で溶解・凝固する粒子は測定できません。


3.測定例

当装置による瓦用配合粘土の測定例を図2に示します。

粒度分布は赤茶色の微細な棒グラフで、単位は体積基準の頻度で表示されます。測定される粒子径の範囲が広いので、表示の都合上、横軸は対数軸が用いられます。この例では粒子径0.4〜500μmの範囲の粒度分布を示しているので、当装置による測定に適しています。また、緑色の曲線は累積分布曲線で、粒度分布の代表的な値である50%粒子径などを求める際に利用されます。今回の例では50%粒子径は約16μmとなります。

当装置は瓦用配合粘土だけではなく、一般的なセラミックス粉末、金属粉末や一部の食品素材等にも応用が可能です。測定可能な試料については依頼試験を受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

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