2. レーザー回折・散乱法の特徴
粒度分析の代表的な試験法として、ふるい分け法があります。ふるい分け法はふるい目の異なる標準ふるいを用い、目の粗いふるいから順に試料を通し、各ふるい上に残った試料の質量を測定することで粒度分布を求めます。ふるい分けの操作は手間と時間がかかるほか、数十μm以下の細かい粒子ではふるい目が目詰まりしやすく測定が困難です。また、使用する標準ふるいの数が測定データ数と関係することから、一般に測定データ数は少なく、粒度分布曲線は粗くなります。さらに、試料量は通常数百g以上必要です。
一方、レーザー回折・散乱法の測定原理は、水などの溶媒に分散させた試料粒子にレーザー光を照射して散乱光を発生させ、これを収束させて得られる回折像を利用して粒子径を求めます。複数の光学原理を組み合わせた高度な演算処理を行い、粒度分布を求めます。レーザー回折・散乱法による測定は簡便で、0.1g程度の試料を試料循環器(図1)に投入することで、数分程度で測定結果が得られます。一般に測定データ数はふるい分け法に比べて多く、詳細な粒度分布曲線が得られます。
当装置では粗大な粒子やナノレベルの微細な粒子は測定できません。測定可能な範囲は粒子径0.02μm〜2mmです。粗大な粒子はふるい分け法が、微細な粒子は動的光散乱法などが適しています。
また、当装置では乾式測定はできません。原則として水を溶媒とした湿式測定になりますので、水で溶解・凝固する粒子は測定できません。
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