2.X線CT装置の撮像原理について
(1)物質に対するX線の透過性について
レントゲン検査で使用されるように、X線には、被検体を透過する性質がありますが、被検体の材質(金属、樹脂、セラミックス)や密度の違いによって透過しやすさが異なります。例えば、鉄のような金属よりポリエチレンのような樹脂の方が、X線は透過しやすいです。この透過度の強弱を画像の濃淡として可視化することで、被検体の内部構造を観察することができます。これは、レントゲン撮影と同様の透視画像となります。
(2)X線CT装置の撮像原理について
レントゲン撮影では1枚の透視画像のみ撮影されたもので奥行きがありません。3次元的に内部構造を観察するためには、被検体に対して様々な方向から透視画像を撮影します。
医療用X線CT装置では、患者を中心に対向して配置されたX線源とX線検出器が患者の周りを回転しながら撮影します。これに対し産業用に使用されるX線CT装置では、X線源と検出器を固定し、被検体を回転させながら撮影します。
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