1.はじめに
低炭素化社会への対応として、石油系材料に代わり、植物系の素材から工業部品を作る取り組みがなされてきています。しかし、植物材料には強度、耐熱性、耐久性などに欠点があるため改質が必要になります。そこで、植物系素材である天然繊維とバイオプラスチックを複合した、天然繊維強化樹脂(NFRP)が開発されています。この材料は、日常生活用品から電機・電子機器、車両、船舶、住宅、建築まで広く活用されているガラス繊維強化樹脂(GFRP)の代替材料としての活用が期待されています。
今回は、熱硬化性樹脂系NFRPとして、低温成形が可能なバイオポリウレタンと耐久性や強度に優れた天然繊維織物を活用した「天然繊維織物/バイオポリウレタン系NFRP」の事例について紹介します。
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