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「愛知瀬戸焼発 新・お茶スタイル」
瀬戸焼と「あいちの茶」のコラボレーションによる新商品開発
瀬戸窯業技術センター

記事更新日.17.09

あいち産業科学技術総合センター 
■問合せ先
〒489-0965 瀬戸市南山口町537 TEL 0561-21-2117 FAX 0561-21-2128
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1.はじめに 

最近の瀬戸陶磁器業界において、食生活やライフスタイルの変化、輸入品や他産地製品との競合により飲食器の売り上げが低迷しており、消費者ニーズに対応する新商品開発、新分野進出による需要創出が課題となっています。  
当センターでは、近年注目されている「お茶」の分野に着目し、産地陶磁器業界、県内の茶生産者とともに瀬戸焼と『あいちの茶』のコラボレーションによる新商品の開発支援を行いました。

2.開発の背景 

愛知県では三河地方を中心に、地形や気候を活かして個性豊かで特色ある茶の生産が行われています。愛知県の茶生産は、特に抹茶の原料となる「碾(てん)茶(ちゃ)」(図1)の生産比率が高いのが特徴で、京都に次ぐ全国第2位の生産量を誇ります。

平成23年に「お茶の振興に関する法律」が公布され、本県でも「茶業振興計画」に基づき、県農林水産部はじめ愛知県茶業連合会(※)等により、県産茶「あいちの茶」のブランド化と需要拡大、お茶文化継承の取組みが進められています。
また最近は、健康志向の高まりを受けてお茶の健康への効能が注目されるとともに、現代のライフスタイルに合う様々なお茶の味わい方や楽しみ方が生産者・販売者、お茶の普及活動等から発信されており、それらに対応する道具や器のニーズが高まっています。現在、ガラス、金属、プラスチック等により、リーフのお茶を味わう新製品が多数開発されていますが、利便や手軽さを前面に出した機能重視の製品が多く、お茶の文化的な豊かさや楽しみ方に踏み込んだ製品は見られません。
お茶文化と深い関わりを持つ陶磁器は、人の情緒や感性に強く訴求する側面があり、瀬戸焼に蓄積されている和洋飲食器、調理器等の製造技術や素材の活用により、現代のライフスタイルに合う多様なお茶の楽しみ方に対応する製品の開発が期待されています。

3.「あいちの茶」と瀬戸焼のコラボ商品の開発 

当センターでは、瀬戸焼と県産茶の連携による新商品開発・販路開拓を目指し、平成25年度から2年計画で、愛知県茶業連合会と日本茶文化の普及に取り組むNPO法人日本茶インストラクター協会愛知県支部と連携し、愛知県陶磁器工業協同組合の新商品開発・販路開拓事業への指導成果として、現代のライフスタイルに合う新しいお茶の楽しみ方を提案し、「あいちの茶」とのセット商品となる茶器を企画、開発しました。  
消費者やお茶の市場に対して訴求力のある製品とするため、本事業では企画から商品化、普及に至るまで、当センターはじめ4機関が連携、協力して実施しました。  
開発した製品は、「碾茶を食べる:愛知ならではの健康食」「ほうじ茶の手作りとレシピの楽しみ」「世代を繋ぐ交流:お茶文化伝承」を提案するもので、@生産量と品質を誇る愛知の碾茶をご飯にかけて味わうための器:蓋がすり鉢になりお茶の香りが楽しめる「蓋付碗」、Aほうじ茶やほうじ茶のチャイの手作りを楽しむための耐熱小鍋「焙烙パン」、B子供や若い世代のための本格的な茶器揃え「お茶入門セット」の3製品(図2)です。いずれもお茶関連分野の現状、課題、ニーズ、提案等を踏まえ、瀬戸焼の技術や素材を活かして開発した製品で、それぞれに高品質な県産茶、レシピ等具体的な楽しみ方を記した説明書をパッケージ化して、購入してすぐに味わい、楽しむことができる商品としました。

4.開発成果の普及と活用

開発した製品は、瀬戸地域の陶磁器メーカー5社が商品化し、陶磁器関連のイベントに出品して大きな反響を得ました。また、当センターでは、陶磁器業界のみならず、お茶関連の講習会や催事において、広く茶業関係者や茶文化関係方面に対して研究成果の周知、普及に取り組み、開発製品の利用促進を図っています。その成果として、日本茶インストラクター等のお茶の普及活動を始め、茶生産者団体の「茶育」の取組み、茶産地での体験イベント等へと開発製品の活用が進んでいます。  当センターでは、瀬戸焼の更なる普及と需要拡大に向けて、今後も引き続き、産地業界の新規製品開発を技術面、デザイン面から支援していく方針です。

※愛知県茶業連合会 愛知県内の主要茶産地の生産者組織7会員で構成される連合会


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