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繊維機械とIoT
尾張繊維技術センター

記事更新日.19.11

あいち産業科学技術総合センター 

■問合せ先
〒491-0931 一宮市大和町馬引字宮浦35
TEL 0586-45-7871  FAX 0586-45-0509

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1.はじめに 

ものがインターネットに繋がるIoT(Internet of Things)の普及により、様々なものが遠隔監視でき、あるいは遠隔操作できるようになってきています。昨今では、安価なシングルボードコンピュータ(ワンボードマイコン)(以下「マイコン」という。)を活用し、既存の設備や機械にセンサーやマイコンを取り付け、IoT化を図る事例が見受けられます。
当地域は古くから繊維産業が盛んであり、撚糸機や織機など多くの繊維機械が稼働していますが、既存の繊維機械のIoT化は十分ではありません。
現在、繊維機械の運転状態は作業者が直接監視していますが、マイコンを利用することで、遠隔からその状態を把握することができるようになり、作業者の負担軽減に貢献できます。ここでは、代表的なマイコンと、繊維機械への展開が可能な使用事例を紹介します。

2.マイコンの種類 

代表的なマイコンの特徴を紹介します。

(1)ESPr Developer(写真1)
アナログの入出力が可能。 Arduino IDEでプログラミングを行う。
無線LANインタフェースを備える。

(2)Raspberry Pi Zero W(写真2)
デジタルの入出力が可能。 OSが載っている。
無線LANインタフェースを備える。 1GHzのシングルコアCPU、512MBのRAMを備える。

(3)Raspberry Pi 3 Model B(写真3)
Raspberry Pi Zero Wの高機能版。 デジタルの入出力が可能。 OSが載っている。
有線LANインタフェースと無線LANインタフェースを備える。
1.2GHzのシングルコアCPU、1GBのRAMを備える。


3.SNSとの連携

マイコンは、LINEやTwitterなど様々なSNSと連携させることができ、比較的簡単にSNSを利用したシステムを構築できます。
図1にマイコンとSNS連携の概念図を示します。
この例では、繊維工場の織機等の電流をCTセンサーで計測し、マイコンからIFTTT(※1)経由でLINEやGoogleスプレッドシートに送ることで、離れた場所からスマホなどで織機等の動作状態をモニタリングすることができます。

4.使用事例

(1)ESPr Developerを用いた入退室管理
ESPr Developerとセンサーライトを用いた入退室管理システムの一例です。(図2)
この例ではセンサーを扉に取り付けていますが、センサーを織機のシャトルに取り付け、Googleスプレッドシートと連携すれば、シャトルが往復した回数をカウントできます。

(2)Raspberry Pi Zero Wを用いたストリーミング
Raspberry Pi Zero WとRaspberry Pi カメラモジュールv1.3を用いたストリーミングシステムの一例です。(図3)
カメラモジュールを繊維機械等の表示パネルに向けることで、そのパネルに表示されている情報をリアルタイム配信できます。

(3)Raspberry Pi 3 Model Bを用いた動体検知
Raspberry Pi 3 Model BとRaspberry Pi カメラモジュールv1.3を用いた動体検知システムの一例です。(図4)
この例では、人の動きを検知していますが、カメラを繊維機械に向けることで、機械の動きをとらえることができます。

5.おわりに

今回紹介した事例の他に、温湿度、距離、照度、ジャイロ、色、振動などの各種センサーがあり、これらのセンサーとマイコンで簡易なIoTシステムを構築することで、離れた場所から繊維機械の動作状態をリアルタイムでモニタリングしたり、設備停止を通知するという使い方ができます。
当センターでは、今後地域企業のIoT導入を促進するため、繊維機械に取り付け可能なIoTデバイスを開発し提案する取組をはじめています。

※1 IFTTT(イフト)は、「レシピ」と呼ばれる個人作成もしくは公に共有しているプロフィールを使って数あるWebサービス(Facebook、Evernote、Weather、Dropboxなど)同士で連携することができるWebサービスである。(「IFTTT」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2019年9月6日(金)04:48 UTC)

※2 UV4L(Userspace Video 4 Linux framework)は、ストリーミングサーバーのアプリケーション。

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