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JB(ジョイント・尾州)ブランド、パリで展示商談会開催
記事更新日.07.10.01
社本 朗
愛知県パリ産業情報センター 駐在員
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9月5日から7日の3日間、日本でも最大級の毛織物産業の集積地である尾州産地(愛知県北西部等)の「JB(ジョイント・尾州)ブランド構築事業実行委員会」(一宮商工会議所、日本毛織物等工業組合連合会、愛知県、一宮市などで構成)が「JB(ジョイント・尾州)」ブランドを掲げて、パリ中心部に位置するエスパス・シャトレ・ヴィクトリアにて「JBブランドパリ展示商談会」を開催しました。

今回が4回目となるこの催しには、フランスを中心としたメジャーブランドの関係者が押し寄せ、「加工技術や織りのテクニックが高い」、「表面感、柄、カラーのバリエーションに富んでいる」との高い評価を得て、869点のサンプル請求(見本反含む)を受けるという成果を挙げました。

■ジョイント・尾州ブランド・パリ展示会の概要
今回のパリ展示商談会には愛知県北西部の毛織物の尾州産地から石慶毛織、小池毛織、後藤毛織、昭和毛織、田中テキスタイル、長大、艶金興業、野村産業、みづほ興業、三星毛糸、森織物の11社が参加しました。

2008〜2009年秋冬婦人服向け生地約110点を、「Desert Land(デザート・ランド)」、「Lost Land(ロスト・ランド)」、「Icy Land(アイシー・ランド)」、「High Tech Land(ハイテク・ランド)」の4コンセプトで展示して、メイド・イン・尾州を強くアピールする会場構成が印象的でした。

参加11社のうち7社が連続参加しており、3社が3回目、1社が2回目の出展となりました。
参加企業のうち9社がフランス、イタリアを中心とする欧米と韓国への輸出実績を持っており、その他各1社はカナダ、韓国へ輸出実績を持っています。参加企業全体を見ると、輸出の仕向け地としてフランスが43%の割合を占めているため、今回のパリ展示会ではさらにビジネス発展させるという意気込みが各社から感じられました。

  
来場者との商談では参加企業代表や現地エージェントが対応し、サンプル請求や見本反請求のほか、現物オーダーも狙って交渉が行われました。 最終的に3日間でアパレルなど61社160名、団体・機関など11団体36名で、約82%がアパレル・ファッションなどユーザーでした。 エルメスのデザイナー、チェルッティのバイヤー、ビル・トルナードのバイヤー、ニナリッチの素材責任者、ゴルチェの素材責任者など有名ブランド関係者も多数来場しました。
区分 来場者数
(団体・機関を含む)
サンプルリクエスト数 見本反請求数
今回(2007年) 72社  196名 31社 867点 2社 2点
(前回:2006年) 108社 247名 47社 715点 6社 30点
 
■出展素材の特徴
今回出展された素材は約110点でした。最高は1メートルあたり7,200円(現地販売価格:以下、同じ)、最低1,380円で、平均は2,503円でした。

7,200円の最高の素材は、「パンク刺繍」のブランドで、内容はウール65%、ポリエステル14%、レーヨン14%、ナイロン7%の異なる素材を特殊刺繍し、リファイン加工を施したものです。

その他にも、シルクサテンにパウダーコーティングを施し、上品な光沢感を表現したものや、ハイブリッドウールとウールの収縮差を利用して、よりワッシャー感を出したもの、ウール、バンブーの交紡糸で軽くてソフトな素材のものなど、ウールを中心に尾州産地の各社が誇る最新技術や独自技術を駆使した素材が展示され、そのクオリティの高さが感じられました。

  
■JB(ジョイント・尾州)ブランドとは
愛知県の北西部周辺は今から1,300年も前の奈良時代から織物業が栄えていました。麻、絹、綿と移り変わった素材は明治、大正時代に毛織物に受け継がれ、国産毛織物の開発・生産の一大拠点となり、現在も世界に冠たる毛織物の産地を形成しています。

現在は毛織物を核としつつも様々な素材を扱っていますが、今も変わらぬ産地の特徴は紡績、撚糸、染色、製織、整理、産地卸、縫製までを産地内に集積・包含し、糸から織物まで一貫した生産体制を敷いていることです。

「ジョイント尾州(JB)」というブランド名は、尾州の織物が、糸、撚り、染め、織り、仕上げ、付加価値加工の各段階の産地企業の卓越した意匠力、技術力を各社の協力のもと、ジョイントして生まれることから名付けられました。

また毛織物はファッション産業では主役を占めるアウトウェアの最重要素材として扱われてきましたが、これもアパレルメーカー、小売業などとの協力・協同、ジョイントにより生み出され、発展してきたものです。

アパレルメーカーや小売業との協力・協同などのジョイントを深め、新たなる価値創造、消費創造を触発していく思いも「ジョイント尾州(JB)」のブランド名の中にこめられています。

またすでに尾州産地の素材は欧州、北米、中国などに輸出され、デザイナーブランドなどに多用されていますが、百年余の伝統に培われた意匠力、技術力で、高付加価値素材としてさらに世界のファッション産業とともに進むことができる「ジャパン尾州(JB)」として新たなる地位をこの産業に将来築きたいと思っています。

◎WEBサイト
http://www.joint-bishu.jp/info/org_jp.html
■JB(ジョイント・尾州)ブランドの推進体制
ジョイント尾州事業は一宮商工会議所などで構成される「JBブランド構築事業実行委員会」を核にして、地元商工会、愛知県、一宮市、日本毛織物等工業組合連合会、(財)一宮地場産業ファッションデザインセンター、産地企業17社、専門家、海外エージェントなどが協力、一体となって、今回のパリ展示会などの事業を実施しています。

平成16年7月に国の事業である「JAPANブランド育成支援事業」に採択され、17年3月に第1回JBパリ展示会をルーブル美術館ギャラリーで開催して以来、毎年パリで展示商談会を行うほか、フランス、イタリアのメジャーアパレルを中心にセールス活動を行い、ブランドの浸透に力を入れています。

今年度は9月11日(火)〜13日(木)にイタリア・ミラノにおいて初めて展示・商談会を実施するなど、世界のトレンドの発信地の一つであるヨーロッパでのブランド力強化を積極的に図っています。

■今後への期待
今回のパリ展示商談会は、前年と比べて多少来場者数は減ったもののサンプルリクエストが増加し、参加企業からは、「欧州の特定アパレル、メゾンで尾州素材が強く支持された証拠。質の高いビジネスができた。」、「有力メゾンが取り上げたことで、今後さらに期待できる」と、今後のビジネス展開を期待させる発言が多く聞かれました。

来場者からも「後加工技術や織りのテクニックが高い。」、「非常に美しい素材が多い。」、「和紙や竹など環境素材に大きな興味を持った。」、「ヨーロッパと違い、糸、織り、仕上げの段階で開発がなされている。」など良い評価をたくさんもらいました。 今後、毛織物産地としての伝統や、高い加工・生産技術、国内の厳しい品質基準を超える企画力・技術力といった地域の資源を生かし、「JB(ジョイント尾州)」ブランドとして国内外での展示商談会、企業個別訪問によりブランドの浸透を図ることで、日本の冠たる織物・ニットの産地が世界の産地へ飛躍できる日が近づいていることを今回のパリ展示商談会から強く感じました。

  
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