パネラーとして参加する機会をいただき、改めて中国でビジネスをする上での「人間関係の構築」の重要性を感じたわけですが、もう一方で最近「民意を意識した視点」を持つことの重要性も感じています。
様々な政治的背景があるものの、中国にも当然「民意」はあります。そしてそれは、日本では反日運動といった極端な例だけが取り沙汰されがちですが、例えばインターネット上で3億人のユーザーを持つミニブログ「新浪微博」等の中では、日常の些細な問題から外交問題まで、溢れかえるほどにつぶやかれています。その民意に、つまり政府ではなく民間の声にも、中国ビジネスを展開するにあたっては、注意深く耳を傾ける必要があると思うのです。
中国ビジネスを円滑に進める上において、人間関係の構築、とりわけ政府との深く良好な関係を構築することは、とても重要なことです。実際、AARIの常州プロジェクトも、時間をかけて市政府との良好な関係を築き上げてきたからこそ、軌道に乗って来ているのは間違いありません。しかし、それだけに終始していると、肝心なところで商機を逃してしまったり、或いは思わぬところで足をすくわれてしまったりする可能性が多分にあります。
ビジネスを成功に導くためのマーケットの声として、或いは民意に足をすくわれてしまわないためのリスクヘッジとして、これからの中国ビジネスを考える時、民意に耳を傾けることは人間関係の構築同様、必要不可欠なことだと思うのです。
この1年を振り返ると、会社設立に始まり、熱処理企業団の来日、尖閣問題によるプロジェクト消滅の危機、そしてプロジェクト再始動、マッチングビジネスの開始と、AARIは紆余曲折がありつつも確実に大きな一歩を踏み出すことができました。
2年目の活動も、これまで以上に常州市政府との関係の深化を目指すのと同時に、実際の交流を通して、或いはインターネットを通して、中国に生きる民間の人たちの声にも注意深く耳を傾けつつ、まずは愛知県中小製造業と常州市中小製造業のかけがえのない橋渡し役となることを目指して、AARIメンバー一丸となって邁進していきたいと考えているのです。
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