大韓貿易投資振興公社(以下、KOTRA)の主管によりソウルで開催された「Foreign Investment Week」(以下、FIW)から帰国した数週間後、韓国の日刊紙「中央日報」の日本語版WEBサイトにJETROソウル事務所の大砂所長へのインタビューが掲載されていました。
『韓国で事業する日本企業を助ける日本貿易振興機構(JETRO)ソウル事務所の大砂雅子所長(57)は「韓国投資をするよりは、かえってASEAN(東南アジア諸国連合)国家が良いという判断をする企業が多い」と話した。大砂所長はこれを「六重苦のため」と指摘した。環境規制、労働規制、税金負担、電力難、労働力難、円安などだ。反日・嫌韓感情はこのような状況をさらに複雑にしている。大砂所長は「日本企業の韓国投資は現状態を維持か減少するだろう」としつつ「日本が環太平洋経済パートナー協定(TPP)に参加すれば貿易自由化が進展するので韓日自由貿易協定(FTA)の必要性を感じない」と話した。 』(引用:2013年11月15日 中央日報日本語版)
日本企業による対韓国投資の現状を端的にあらわしている記事だと思いますが、投資環境の優位性とFTA先進国としての韓国がしきりにプレゼンテーションされていたFIWの後だけに、共に両国の貿易振興、投資誘致における代表機関であるJETROとKOTRAの思惑がこうも一致していないのか・・・と、日韓関係の難しい現状を目の当たりにした気がしました。
確かに日本企業の目は、今や完全に韓国、中国といった東アジアから、タイ、インドネシア、ベトナムなどの東南アジア諸国にシフトしています。ビジネスの側面だけならまだしも、感情的にも嫌韓、嫌中といった空気さえ蔓延してしまっています。
そんな、おおよそAARIにとっては逆風的な状況の中ではありますが、韓国にも中国にも、中小企業間の取引には十分に可能性が残されているのではないかと私は考えています。
ここで、FIWをきっかけとしてスタートした、AARIが現在進めている日韓プロジェクトの一例を紹介しましょう。
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