AARIアジア中小企業レポート
株式会社愛知アジア総合研究所(AARI)

記事更新日.14.05.

製造業を中心とした愛知県および東海地域の中小企業に向けて、アジア各都市とのコネクションと様々なソリューションに関わるノウハウをもとに、技術支援、品質管理支援、環境対策支援等、ソフト面での海外進出をサポート。第一弾として、中国江蘇省常州市への進出サポートを展開中。
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■第19回 BtoBマーケティングを考える(2/3回)


執筆者:株式会社愛知アジア総合研究所 代表取締役 乗松薫
1970年名古屋市生まれ。1996年早稲田大学法学部を卒業後、岩手朝日テレビを経て、2000年ヤフー株式会社入社。2003年、名古屋にて株式会社ミルゲート(旧 有限会社エヌ・プランニング)を創業。以後、WEB領域を中心に、ナショナルクライアントから中小製造業まで、数多くの企業の国内およびアジア地域へ向けたプロモーション業務に携わる。専門領域は国内およびアジア市場へのプロモーションプランニングおよびコピーライティング。2012年3月、株式会社愛知アジア総合研究所を設立し、代表取締役に就任。


自社のWebサイトをマーケティング活動の主軸に置いてみる

前回のレポートで述べた内容を少し整理してみましょう。

  1.大手メーカーによる海外への生産拠点シフトが招く国内の空洞化、そして新勢力との価格競争の激化の中で、中小製造業は「取引先の多角化」を迫られている。

  2.そのためには自社の強み=USPを徹底的に分析し、まずは国内市場での生き残りを模索する必要がある。

  3.USPを明確化した上で、具体的なBtoBマーケティングを実施する必要があるが、多くの企業が実施している「展示会出展」「メールマガジン配信」「自社セミナー開催」だけでは成果が見えてこないケースがあるため、何か「別の施策への取り組み」を考える必要がある。

といったところが前回のレポートで述べた内容ですが、既に見出しにあるように、「別の施策への取り組み」とは、私は「自社Webサイトの活用」だと考えています。

自社Webサイトは、
1.世界中のインターネットユーザーがターゲット
2.リアルタイムで自社の情報発信が可能
3.より詳細な情報発信が可能
4.効果の可視化が可能
な、自社媒体です。

この「自社媒体」というところが大きなポイントで、インターネットの登場によって、どの企業も自社の媒体を手に入れることができるようになったことが、マーケティングのあり方に大きな変革をもたらせました。

そして、これまでのBtoBマーケティング施策の問題点と自社Webサイト活用のメリットをまとめると、以下のようになります。

このように、既存のBtoBマーケティングのデメリットを自社のWebサイトが解決してくれるわけですが、勿論Webサイトが万能というわけではなく、実際には
・自社のWebサイトをマーケティングの主軸とし、
・必要に応じて「展示会出展」「メールマガジン配信」「自社セミナーの開催」等のマーケティング手法で補完していく

といったアウトラインの中でプロモーションを実施していく方法が得策だと思います。


検索ユーザーは顕在化している

自社Webサイトは非常に有効なマーケティング施策となり得るわけですが、単にWebサイトを制作して情報を配信しているだけは効果を発揮しません。効果を得るためには、ターゲットにWebサイトを訪問してもらう必要があるわけで、具体的には、自社の見込み客になり得る顧客予備軍のうち、Yahoo!やGoogleなどで検索をしたユーザーをどれだけ自社サイトに呼びこめるかが重要になります。

以下の図は、愛知県にあるレーザー加工会社を例に、ユーザーが検索からWebサイトを訪問し、問い合わせをするまでのフローを説明したものになりますが、ここでは
・「レーザー加工 愛知」と検索したユーザーは、既に顕在化したユーザーであり
・そのユーザーに自社のUSPをしっかり訴求し
・確実に問合せへと結びつける
ということを意識する必要があります。

もっともこれは、多くの見込み客のうち「レーザー加工 愛知」と検索した顕在層がWebサイトを訪問し、さらに問い合わせをしてくれた!という、いわば成功事例ですが、一つ重要なポイントが欠落しています。

それは、「レーザー加工 愛知」と検索したユーザーを、どのように自社サイトに誘導するかというポイントです。

顕在化したユーザーを自社サイトに誘導するために

下の図をご覧下さい。これは実際にGoogleで「レーザー加工 愛知」と検索した際の、検索結果1ページ目のスクリーンショットです。

赤の背景を施した箇所は、「リスティング広告」或いは「検索連動型広告」と呼ばれる広告の掲載部分で、それらに囲まれた白背景の箇所が「自然検索結果」と呼ばれる部分です。上の図は検索結果の1ページ目ですので、ここに自社のWebサイトが表示されれば顕在化したユーザーを取り込める可能性は格段に広がります。

広告は費用がかかるため、自然検索で上位に掲載されることが最も望ましいわけですが、そのためには様々な条件をクリアする必要があり、その条件をクリアするために様々な策を施す必要があります。これが「SEO(Search Engine Optimization)=検索エンジン最適化」と呼ばれるもので、専門に請け負う業者も数多く存在します。

広告部分はGoogleに対して費用を払う必要がありますが、一定の調整をすれば確実に検索結果に広告を出すことができ、広告会社に依頼する方法もとれますし、オンライン上でWebサイトのオーナーが自ら広告出稿することも可能です。手っ取り早く自社のWebサイトへの訪問ユーザーを増やすためには有効な方法だと言えるでしょうあ。

いずれにせよ、Webサイトに訪問してもらわなければ意味が無いので、SEOや広告は重要な施策になってくるわけです。

BtoBマーケティングは、自社のWebサイトの利用によって格段に効果を発揮するものだと私は考えます。

まずは自社のUSPをしっかりと分析し、その上で「取引先の多角化」に向けた効果的なBtoBマーケティングに取り組んでみてください。

 


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